9月2日 それは一体(4)。。。
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あいつにとっては慣れていたはずの長時間労働のはずだったが
過去に輪をかけ休みなしでひたすら長い時間働くことは思いの外苦痛だった。
家で過ごす時間はなおさら短くなりあいつの嫁様からは「私はあんたの家政婦じゃないとよ。」
との声を毎日のように浴びるようになり精神的苦痛も加算されたのであろうか。
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あいつはそもそも体はあまり頑丈ではない。
しかし幸いなことにさらなる休みなし長時間労働を始めた当初は何ら体からの
悲鳴は聞こえてはなかった。
気が張り詰めていた理由もあるのかあいつ自身最も心配した疲れにより疲労、病には
襲われることなく時は流れてくれた。
時が経過するとともに次第にあいつの体を何かが蝕んでいったのであろうか。
やはり体の弱いあいつには休みなしの長時間労働など無謀なのか。
しかしあいつ自身何ら一切知る由はなかった。
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一切休日を取らなくなってどの位時は経過しただろうか。
それは何の前触れもなかった。あいつ自身事が起こることに何ら予感することすらなった。
突然頭痛があいつを襲うようになる。それも頭が割れるように痛む。
当初は短時間での痛みで長くはなかった。だが、その苦痛は連日続き
日にちが経過するとともに大きくなり次第に時間も長くなる。
その長時間の頭痛が連日続くようになる。それも決まって会社の皆帰宅し一人で
事務所で仕事を行っている時に襲われる。たった一人で働いているときを狙ったかのように。
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痛む。こめかみを押さえると気分が悪くなり吐き気すら催す。
大きく深呼吸をする。何度も繰り返すが何の効き目もない。
次第に汗ばむ。じわりと気がつかぬうちに額は濡れている。
椅子から立ちあがり周りを歩くがなおさら気分が悪くなる。
それでもあいつは決して仕事はやめない。
席に戻り、必死に歯を食いしばりCADソフトが映し出されたパソコンを懸命に睨み
右手に取られたマウスを動かそうとするが体が言うことを聞かない。
目からは涙がこぼれ鼻水までが滴り落ちる。
あいつは耐えきれない。あいつの我慢の限界だ。倒れこむように事務所のソファーに横になる。
目が閉じられるまで時間はかからない。閉じられた目は開くことなく何時しか白河夜船を漕ぐ。
束の間の睡眠を取り目を覚ますと痛みは和らいでおりそれから又しても仕事に励む。
だがひと眠りした後は嘘のように頭痛は消えていた。
家に帰ると決して会社での自分の病身の姿など話すことなどもちろんしなかった。
話をしようものなら会社を休めとばかりに口角泡を飛ばし散々口やかましく言われるのがおちだ。
外からはあいつの本来の姿がわかるのだろう。「あんた顔色が悪いよ。」と話しかけられるのだが
一切無視しできる限り作り笑いを施す。
だが頭痛と戦う日々はそうは長くは続かなかった。
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いつしか続く。。。
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それでは又です。
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2009.9.2by 博多の森と山ちゃん
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