10月6日 時 (12)。。。
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目の前にある差し出された手帳の内容を即座に把握するとこれで
解放されるとあいつは思う。
家族そして学校から離れられる。
不安と心配の生き地獄の毎日から離れ離れになるとの考えの安心感があいつを襲う。
それは青二の才あいつが全く世間を知らず又全く社会の構造を知らない
無知であるが故に思い立つ内容だった。
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二人の刑事に校長室を出るよう指示され部屋を出るとその二人に付いて行く。
そしてそこは今まで入ったことのない畳敷きの部屋だった。
そこに3人とも座る。あいつはひとり。そしてテーブルを挟み対面側に刑事二人。
座ると即座に二人のうち一人が先ほど提示した手帳の中のページをめくり手を止める。
あいつは勘違いをしていた。ここで追及されるのはバットで打ちのめしたことだと思っていた。
ところが思いもよらぬ質問があいつにされる。
刑事の一人は手を止めたページをを見ながらあいつに質問する。
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「君は〇月〇日この店でレコードを盗んだね。〇〇君と一緒に。」
あいつは何も言わない。
「一緒にやった友達の名前を教えてくれればもう帰っていいよ。」
あいつは何も答えない。
「友達の名前を言えばいいんだよ。君の名前も教えてもらって分かったんだ。」
とてもやさしい口調だった。脅しの態度は全くない。それどころか微笑みを浮かべている。
沈黙のときが流れる。あいつはただ下を向きテーブルを眺める。
「君が万引きしたのは分かっている。それは犯罪だよ。
この学校にはその犯罪者がたくさんいてね。君もその一人だ。
友達の名前を教えてくれれば帰っていいんだよ。
そして君は盗んだ店へ親と行って物を返し謝ってもらう。それでお店が許してくれれば
それでおしまいだ。それだと罪にはならない。
店の名前も調べてあるし既にその店には俺たちも行った。
何も心配しなくていいんだよ。一緒に万引きした友達の名前を教えてくれれば
それでいい。もう何人も名前を教えてもらった。
誰かな。教えてくれないか。」
あいつはうつむいたまま初めて口を開く。
「親には俺が万引きしたことを。。。」
「もちろん既に両親は共働きで家にはいないから会社に連絡した。もうすぐ来るんじゃないかな。」
あいつは驚く。
「えっつ。学校に来るんですか。」
刑事の顔の表情には既に笑顔はない。
「そうだ。友達の名前を言ってお袋さんと早く謝ってこないと。」
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あいつはためらいもなくあっさりと答える。
「〇〇君です。」
「何年何組?」
「〇年〇組です。」
「分かった。やっぱりあいつか。」
目の前の二人が話し合う。
「もう帰っていいよ。職員室に行って担任の先生の所へ行きなさい。
そのうち君のおふくろさんが来るはずだかから。」
「それから二度とやらないように。今後やったら本当に取り調べるからね。」
あいつを睨みつける。
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あいつは頭も下げすにすごすごと立ち上がる。部屋の引き戸を開ける。
廊下へと出る。戸をゆっくりと閉める。一言も何も言わずに。
職員室へと向かう。重い足取りだがいつもと変わらぬ足取りで歩く。
静かで冷たい廊下だ。あいつの足音が無性に響く。
あいつはいつもの平然として表情だ。無表情だ。
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そして顔色が青白いのもいつも通りだった。。。
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それでは又です。
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「ボストン・シャドウ」ウィリアム・ランディ著
ノワールの傑作。
暗くつらくつい溜息をつく読後感が味わえる。
説明が少々くどい。それはまとわりつくような文章ではない。
しかし、暗黒小説が存分に味わえる。
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2008.10.6by 博多の森と山ちゃん
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