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7月27日 時 (1)。。。



確かに会社は持ち直し最近は赤字は出ていない。
バブル崩壊後の衝撃は和らぎ既に当時の慌ただしさからは解放されつつある。
ただ、昨今の原油、原材料の高騰による景気下降との周りのざわつきに少なからず
一抹の不安が体を過る(よぎる)。
しかし、我が町工場の現状を垣間見るに皆の踏ん張りでどんな荒波が襲いかかろうと
颯爽とそして憤然と立ち向かうであろう。
我が零細町工場の根底に流れているのはこの世から消し去りたい全くの理論なしでの
根性論、あるいは悪名高き大和魂ではないのだから。。。





常に零細町工場に適う戦略に基づき戦術を当て嵌める。
日頃新聞紙上を賑わす大企業なりの戦略には全く見向きもせずひたすら吹けば飛ぶような
零細弱者企業なりの道筋を這い廻らす。

しかし気に入らない。全てが気に入らない。
全く俺が導き出した考えでなく俺の存在が全く無視されたいや否定された会社運営だ。
俺の考えでやって来た。苦労して会社を興しがむしゃらに働き誰にも邪魔されずに
俺のやり方で疾走し突っ走った。
見栄はったりはもちろん常に傲慢さそして怒りをさらけ出し俺の内面の感情を隠そうともせず
癇癪をまき散らし闊歩してきた。
自負がある。長年会社をつぶさず職人へ給料、ボーナスを払い続けた経営者としての
自分なりの誇りがある。
思い通りにやって来た。人の意見など無視しひたすら自分を信じ行動した。

判断基準は好き嫌いだ。お客であろうと容赦しない。
気に食わなければその時点でものづくりは中止しクズ鉄となった。
職人、会社内部の人間には怒鳴り癇癪は常に破裂させた。

常に恐怖感を持たせ威厳を保つ。椅子には大きく構えどっしりと座る。
小言、苦言は当たり前で常日頃会社で働く者へ緊張を強いた。

特に職人に対しては怒りを露にした。いやそうでないと職人は働かない。
工場、現場では大声で怒鳴り威嚇し相手をひるませ仕事をさせた。
俺の思い通りに動かすためには笑顔は必要なく常にけなし咎める。
徹底的に欠点を責め完膚無き程に痛めつける。相手がどう思おうと関係ない。
作らねばならない。物を作ってなんぼのものだ。
物ができなけらば会社は傾きそれこそ飯の食い上げだ。

長年俺のやり方でやってきた。会社は儲けそして家族を養った。
他人お構いなしに自分の考えで俺の感情で常に押し通してきた。
何ら問題はなかった。いや問題など起こさせはしなかった。
傲慢、自慢、自負あらゆる自信が俺自身を包み込み会社の経営は順調だった。




次回へと続けてもよかでしょうか。。。




それでは又です。


読破。
「無間地獄 上 下」新堂冬樹著
「失われた男」ジム・トンプソン著
「デッドライン 上 下」建倉圭介著
「血と骨 上 下」梁石日著
「なで肩の狐」花村萬月著
「真夜中の犬」花村萬月著

建倉氏の今回の著作は名作だ。太平洋戦争とアメリカ、日本の人種差別を絡めている。
必要のない戦争への抵抗の無力感もにじませながら。

梁氏の著作の直接的な訴えには動せずにはいられない。他の作品も読んでみるつもり。

花村氏は独特の作風を作り出している。馳氏のノワールとは違う。


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2008.7.27by 博多の森と山ちゃん



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