7月16日 根性。。。
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「まずい。 エロージョンが頭から抜け落ちていた。」
管内流速をいくらなんでもこれほど落とすことは不可能だ。
熱伝導率を考慮し一時は銅管を這い回すべく試しにほんの少しではあるが部品一部を
作ったが瞬時にあきらめる。
決断後の行動はいつもながらあいつ女性専務の町工場は素早い。
それは全くの未練などあるはずもなくましてや根性とか大和魂とか日頃忌み嫌う
全くの理論なしの行動ではないのだから。。。
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これだけ原油、化石燃料の値段が上がったうえ火を使う乾燥機の煤煙対策を
考えると火気未使用の乾燥機が脚光を浴びるのは自然の理だ。
CO2排出、ダイオキシン対策そして安全性も考えねばならず汚泥の脱水後の乾燥処理は
誰しもが火気は使用したくない。
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あいつ女性専務の零細町工場の戦略は日頃書くように、大手が手を出さない、競争相手が
気がつかないそこはかとないかすかな小さな市場を目指し商品開発に勤しむ。
根底には常に儲けるが第一義の目的であるし利益を稼げないのであれば、会社には
金がないのであるから社名は当然至極この世から消え去る。
あいつの零細町工場で働く職人皆路頭に迷わぬよう必死に地べたを這いずり回り
日銭を稼がねばならない。
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生き延びるために最も大切で必要不可欠な内容は営業戦略であることは重々承知している。
あいつの町工場は下請け、安請け合い、値段の叩き合いの案件はなるべくいや
決して手を出さず利益が稼げる商品、ものづくりを行わねばならない。
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ちっぽけな九州は福岡、博多の町工場を誰が助けてくれようか。
銀行は金利で稼がねばならず、むしろ会社が傾けばそれこそ必死に引っ剥がそうとするのは
会社組織であれば当然だ。
国、政府などあてにする事を考えた時点であいつの町工場は下り坂を猛スピードで
駆け下りることになる。
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いつもあいつの零細町工場には金がない。あいつは贅沢のぜという言葉さえ知らない。
月に一日休めば良いほうで服装身なりはいつもながらの作業着だ。
おしゃれに全くの無頓着でいつも家族に罵られるが本人は馬耳東風だ。
あいつにとっては仕事と読書。これだけ出来れば後は何も要らない。
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いつも苦しめられる資金繰りの毎日であり、手許には全く金がないながらもあいつの
零細町工場は他の案件をこなしながら次なる火、火気未使用の乾燥機3号機目の開発に忙しい。
試行錯誤を続けながらあいつは目の色変えCADソフトとの格闘を続けている。
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これがもしうまくいかなければそれこそあいつ自身御陀仏だろう。
会社運営に最も不可欠である金、そして職人の腕を存分に注ぎ込んでいる。
不安、心配は人間生きている限り決して消え去るものではなく募るそして大きくなる一方であり
小さくなるのはほんのわずかな時の経過でしかない。
常にもがき苦しむのであり楽しむことを一切拒否しひたすら淡々と黙々とものづくりに徹
し汗水を垂らす。
だが最も不要なる根性論、大和魂そして嘘はったりなどとは金輪際おさらばし
目の前にある事実とものづくり根底にある経験の上での技術、腕、理論、
日頃脚で稼いだ情報に基づき五感全体で感じ取った胸のざわつきを次なる
火、火気未使用の熱源低圧、飽和蒸気のみの乾燥機へ遺憾なく発揮するだけだ。
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あいつは零細町工場が生き残るために誰にも決して頼ることのできない資本主義、自由経済主義の
日本国での過酷なものづくり商売をこれからも続けるのならばその冷酷な回答であるのは金だと
納得しているはずだ。だからこそ常に金に振り回される。
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決して諦められないのは無借金経営だしそして金を振り回すことであるのは書くまでもない。
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あいつは最近よく呟く。「やはり戦略と戦術には大きな違いがあるようだ。」と。。。
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それでは又です。
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読破。
「鎮魂歌 不夜城Ⅱ」馳星周著
「猛き箱舟 上 下」船戸与一著
「エトロフ発緊急電」佐々木譲著
「奪取 上 下」真保祐一著
「ブラック・ダリア」ジェイムス・エルロイ
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ノワール、暗黒小説がやはり読み応えがある。
ノワール作家馳星周とエルロイは他の作品も読んでみるつもり。
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2008.7.16by 博多の森と山ちゃん
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