6月10日 まさか(7)。。。
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彼は突然あいつに向かい言い放った。
「今は幸せかい。」
あいつは当然幸福であり何も起こらない日常こそが最も有り難い一瞬で
それ以上何も望むことはない。
時はあいつそしてあいつの周りを常に豊かな心地で包んでいるのであり
不幸という言葉はそう思う貧弱な心の持ち主の責任に違いない。
幸せな人物からは不平、不満そして愚痴を聞く事はなく慈しみが漂う。
あいつは自信をもっていつも答える。
「いつも幸せよ。」と。
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「安心した。」「でも久しぶりだな。」
彼の気まぐれな発言にあいつはつい微笑む。
あいつは頷きながら彼の昔のままで少しも変わらない突拍子もない発言に
つい安心感を覚える。
確かに見た目は年齢は重ねてはいるが中身は昔のままの気がする。
あいつの望みがそう思わせるのかも知れないが何年たっても人間の本質は
変わる事はないだろう。
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いつしかあいつは二人きりで思い出をつっくていた頃の彼の姿と重ねる。
やはり変わっていない。優しく穏やかな彼。決して感情的にはならない彼。
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嬉しかった。昔のままの彼が目の前に座っている。
彼の胸へ飛び込んでみたい。そして強く抱きしめて欲しい。
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しばし沈黙が続く。あいつはその静かな時の流れにいつしか乗りかかり
安寧と安心に温かく包まれている。
だが、あいつは自分の今現在頭を駆け巡る行動を取ることなど出来るはずもなく
ただ椅子に座り彼を見つめるだけだった。
理由なしに胸の鼓動は高鳴り息が詰まる。頬は赤らみこみ上げてくる。
目は潤み体に力が入る。
何故そうなるかは理解できてはいないがその結果にあいつは納得していた。
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とうとうその胸躍る空間は裂かれ別れの時を迎える。
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「分からない事があればいつでも連絡していいよ。出来る限りの事はする。」
既に彼の顔つきは仕事する精悍な表情へと変化している。
あいつは「はい。分かりました。」と元気よく一社会人として返事をする。
頭を互いに下げ挨拶が終わると彼は颯爽と歩き出す。
あいつは彼の姿が見えなくなるまで目で追う。
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あいつはしばらくその場で佇みどれほどの時は経過したであろう。
あいつは町工場へ帰社すべく出口へと向かう。
あいつは歩きながら決意する。あいつはある決断をすることに最早ためらいはなかった。
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後日彼からあいつの町工場へ電話が入る。
しかし、あいつは電話を決して取らなかった。
若い営業マンが受話器を握り話し始めた
「専務から私に担当は代わりました。○○と申します。」
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あいつ女性専務はこの光景を眺めながら一人呟いた。
「これでいいんだわ。今が幸せだから。」と。。。
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ようやくやっと終わりです。誰も読んではいないだろうが。
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それでは又です。
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読破中。
「創造する経営者」P.F.ドラッカー著。
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読破中。
「竜の卵」ロバート・L・フォワード著
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なんだこのラストは。まだまだやなあブログあるはず。
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2008.6.10by 博多の森と山ちゃん
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