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2008年06月16日

6月16日 あいつの個人的な不祥事。。。



本日の内容はあまり心地の良いものではありません。念のため。。。




呼吸するのさえつらかった。
けたたましい遠吠えがあいつ女性専務の聴覚を台無しにし、一呼吸ごとに襲う
頭痛が体全身をもだえさせる。
吐き気は束の間の休憩を一切与えずあいつがいくら体内におさめられた食べ物を
吐き出そうと容赦しない。
ついには予測はすでについていたが出す物がなくなった以上当然のごとく真黄色の胃液を
全身に冷汗を掻きながら嗚咽の悲鳴とともに口元から垂らす。
その嗚咽にも一切構うことのない吐き気というふんだんに体のエネルギーを奪い去る
あいつに与えられた苦痛はとめどもなく、ついには反吐(へど)胃液の色は鮮やかな黄色から
いつしか黒色を帯びあいつ自身を更なる驚愕の心地へ誘う。





会社の慰安旅行でマイクロバスの最後尾の席を占領し一人優雅にくつろいでいた。
予定のスケジュールは無事無難にこなし、お土産屋一件寄ると後はあいつの町工場へ
戻るだけだった。
昼食後訪れた神社ではあいつの体調には何ら変化はなかった。
ところがだ。
その目的地を出発した後より次第にあいつを体の変調が襲い始める。
先ずは頭が痛みだしついには吐き気を催す。
一向におさまることなしに時間の経過とともに頭痛そして吐き気共大きくなる。
ついには吐く。一旦の小康状態の後再び吐き気が襲う。
頭痛は一向に収まらない。それどころか時間とともに痛みが増す。
頭が割れるかの如く苦痛はとめどもなく襲いいつしか体全身に汗をかいている。

今更一年に一回きりの全社での旅行だ。
ささやかで近場での旅行であるが町工場の皆楽しみにしていた行事だ。
車を止める訳にはいかない。旅行を止めれるはずもない。
あまりの苦痛に表情はゆがんでいるが耐える。
仰向けになればなおさら反吐の度合いは濃くなく。
うつぶせになり尻をあげ不格好であるがその態勢があいつにとっては適切のようだ。
だが、頭痛と吐き気は常にあいつを包み込み決して逃そうとしない。

止まらないマイクロバスからの道路を走る震動があいつの体をより一層蝕む。
最後尾の席のあいつへの振動の衝撃はとてつもなく大きい。
普段全く気にもならない上下そして前後の車の動きが今ではいちいちあいつ自身の体を
悪い方向へとひたすら刺激する。

かすかな意識のもとであいつはその理由を考える。
やはり朝の生麦酒グラス一杯が理由なのかも知れない。
その上車酔いか。
さほど頑丈ではない胃腸の悲鳴がその答えに違いがない。

町工場へ到着する頃は暑くもないのに体全身汗で濡れ既に意識は朦朧としており
何とか一人でバスは降りるが歩くのもふらふらでそれこそ千鳥足だ。
あいつの体は吐き気と頭痛で全く自分の意思通りには動かすことができず
病院へと運んでもらう。
病院への車中ではいつもようしてもよいようビニール袋片手に頭はうなだれ開いた手で
必死に取っ手を握る。その取っ手だけがあいつを支えている。

周りの人物に支えられ病院のソファーへ座りこみ。
決して頭を上げることはできない。あげれば即座に戻す。

息絶え絶えに先生、医師と問答する。
朦朧とした意識の中であいつは驚く。
即座に脳をCTで調べるという。頭痛と吐き気はくも膜下出血の恐れがあるという判断らしい。

結果は2時間余りの点滴で済む。つまり脳には何ら異常はなかった。
自宅まで送ってもらい布団へなだれ込む。
それ以来昨日日曜日は一日横になる。
一日中床にふすのは過去入院時以来のあいつにとってはめったにない行動だ。

夕食でようやく口にものを入れることができるようにまで回復する。

本日月曜日はもちろん出勤だ。
床に伏した影響だろう。体全身がだるく徒歩通勤での踏み出す一歩一歩にわざわざ
渾身の力を込める。
事務所に到着したころには疲れがあいつを包む。
その疲れは日常のものとは異なり奥深くそして大きい疲れだ。
それに巻き込まれてはいけない。その体のまま無理やり早朝の掃除に費やす。




しかしあいつは今更ながら決して両親に対する感謝は忘れない。
それはあいつを病院へ連れて行き点滴の最中の長い時間じっと待ち続け
そして自宅まで送ってくれたのは紛れもなく年老いた我が親父とお袋なのだから。。。




それでは又です。


読破。
「魂がふるえるとき」宮本輝編
日本の名作を宮本氏が選んだ作品集です。
いずれも著名な人物の作品でとても味わい深い。


「ダック・コール」稲見一良著
たいへん静かで落ち着いた文体で心惹かれるものがある。
いくら内容が騒がしくとも時は静かに流れます。
山本周五郎賞受賞作。


読破中。
「創造する経営者」P.F.ドラッカー著。


読破中。
「竜の卵」ロバート・L・フォワード著


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2008.6.16by 博多の森と山ちゃん