5月24日 咳込む。。。
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あいつは何度も咳き込んだ。
喉の痛みはひどく既にだるさに襲われているこわばった体を咳を繰り返すごとに震わせる。
あいつは分かっていた。自分自身の体だ。
生まれた時から付き合ってきた決して離れる事など出来るはずもない自分自身の生身の
筋肉と脂肪と細胞そして内臓。。。
どれだけ皺が刻み込まれているかなど考えるだけでも億劫な脳細胞があいつに懸命に
信号を送っているのだ。
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休みなしの長時間労働とばかりに意気がってはいるが所詮体が持つかどうかが
大きな課題だ。
悲鳴を上げている肉体そして精神から決して逃げだそうとはせずにただひたすら
冴えない脳からの体への指令のみを頼りに動いてはいる。
活動すべく強靭であるはずの肉体は本体備わっているはずもなくだるさと倦怠感に
常に包まれている。
声は涸れながらもその原因であろう病魔に必死に耐えるのみだ。
口から言葉を発する度に痛みを感じいよいよこれからがその病気との格闘と
なりそうだ。 .
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既に九州は博多の街に漆黒の帳は降り、誰もいない零細町工場の事務所で一人
パソコンの画面を見つめキーボード、マウスを操り図面というものづくりの基礎を描いている。
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「今日は職人の帰りがひどく遅いな。」あいつは一人呟く。
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パソコン画面から目を離すと窓越しに真黒な空間を見つめる。
耳には雨がコンクリートジャングルを打ち鳴らす音色が響く。
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あいつの町工場は今日、明日は現場工事だ。
明日の日曜日も休みは取れそうにない。
これからも自宅では小言、愚痴に付き合わされる。
家庭を顧みないあいつに対して容赦ない罵倒は当然のごとくに浴びせられる。
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だが、町工場は存続させねばならない。吹っ飛べば即座に飯の食い上げだ。
誰も助けてはくれない。むしろ会社がなくなれば競争相手は手を叩いて喜ぶ。
注文をもらわねば。図面を書かねば。現場監督。打ちあわせ。
社外での活動。社内での仕事。
風邪などひいている暇などなくただ懸命に時に翻弄される。
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どこでも作れるものであれば即座に価格競争に巻き込まれ利益は望めない。
常に情報をかき集め要望を耳にしそして次なるものづくりを模索する。
売れなければ町工場は存続できず本来の使命であるものづくりさえできなくなる。
零細町工場、最も社会的地位の弱い立場での次なる方針を打ちたてそれに
邁進し成し遂げねばならない。
開発する製品の内容はなるべく狭く大手が手を出せない分野とする。
あいつの町工場なりの技術を発展させその延長上にあるものを進展させれば
次なる結果を生むのは明白だ。
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既に特許出願した内容をさらに吟味の上次なる試みを実行する。
零細町工場なりの戦略に基づき未来を見つめる。
休みなど贅沢とばかりに働き続けるがそれは自分自身の体とも相談する必要は
あるだろう。
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あいつはまたしても咳込みながらも呟いた。
「今は外から激しい雨音が聞こえるが果たして明日の息子の運動会はあるのか。」
「そうだ。明日は必ず会社を休めと旦那が言ってたな。」
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あいつは相談する者などいないし又相談する気もない。
ただ時の流れに体を任せるだけだ。
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それでは又です。
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読破。
「琉転の海 第三、四部」宮本輝著
熊吾の没落がいよいよ始まった。どこまで落ちゆくのであろうか。
房江の言葉がいちいち身に染みる。
これまで書きあげるのに20年の歳月がかかったらしいが。
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読破中。
「創造する経営者」P.F.ドラッカー著。
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読破中。
「竜の卵」ロバート・L・フォワード著
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2008.5.24by 博多の森と山ちゃん
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