5月18日 今日ももちろん。。。
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抜群の美貌を誇るあいつ女性専務はもちろん本日も仕事に勤しむ。
あいつの本日の零細町工場の役目は現場工事でありそれも二手に分かれ
実行だ。
真っ赤なミニスカートで色白のスラリと伸びた御足をほんの少し隠したあいつの組は
早朝より高速道路を疾走し遠方へと向かった。
最近の野外での現場活動により天より降り注ぐ紫外線のため顔色は
あいつを含め町工場職人も皆真黒だ。
それが粋でいなせでその姿に誰しもが惹かれる。特にヘルメットをあまたに載せ
一心不乱に働く姿には。
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あいつはさすがに疲れていた。
休みなしの長時間労働。精神的、肉体的にも大きな疲労感があいつを襲っていた。
今日は体調が思わしくなく、胃腸薬と頭痛薬が朝食だった。
だが、決して仕事の最中は他人には悟られぬよう必死に体の変調に戦いを挑んでいた。
冷汗を体中にかきながらも耐え何とか一日やり過ごす。
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現場工事を終え我が町工場へ戻った途端その努力の結果が噴き出す。
あいつは2階事務所にかけ登ると倦怠感に襲われた体を即座に応接ソファーへと
横たえる。
体を仰向けに寝転がり瞼が閉じられると寝息が聞こえるまでの時間は僅かであった。
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どれほどの時間が経過したであろう。
あいつを呼ぶ声に目を覚ます。
体を起し声がする方法へと体を向ける。
当初は分からなかった。理解ができず目をこする。
次第に目の前の人物が誰であるかはっきりとするにつれあいつ自身の体の震えも
大きくなる。
襲われていた疲労感など吹っ飛びひたすら目の前の光景に見入る。
それは小さな二人の子供でありお兄ちゃんと妹という風情だ。
佇んだ二人は手を握り綺麗な4つの瞳には日焼けしたあいつの顔が映っている。
そして決して眼を離そうとはしない。
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あいつは決して後悔などしていない。決して過ちを起こしたなど微塵も思ってはいない。
既に過去のことであり振り返る必要などないとさえ覚悟を決めている。
あくまでも自分自身から起こした行動でありその時点では最適な選択だったはずだ。
確かに自分のお腹を痛めた子らだ。忘れる事など出来るはずもない。
一時は必死に忘れようと努めたこともある。しかし徒労に終わった。
懸命に過去の大きなしがらみから抜けだそうともがき苦しんだのだが
その甲斐もなく今でもその頃の顔表情が思い浮かぶ。
会うことだけはためらった。会えばその後の自分が如何なる行動に出るか想像できない。
もちろん会いたかった。会いたくて会いたくて涙にくれた日もある。
しかし、もし目の前にすれば。もしその二人を目の目にすれば。
それは過去の行動をないがしろにするであろう。
抱きしめ二度と離れられなくなるに違いないとの確信すらあったのだ。
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その二人が目の前に現れている。
頑固に会うことすらしなかったが会いたくて仕方のなかった子供らが目の前にいるのだ。
あいつはとめどもなくこみ上げるものを押しとどめることはできなかった。
次から次に溢れ出る涙に目がかすみ、拭っても拭っても中々自分の本来の目を
取り戻せない。
茫洋と映る目の前の二人にあいつは何ら言葉が出ない。
ただただこみ上げるものに身を任せるだけだ。
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お兄ちゃんが口を開く。
「お母さんだよね。探したんだよ。」
それははっきりとした抑揚のある声だ。
まさしくあいつの子供の声だ。忘れるはずもない。
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あいつは立ち上がり二人を抱きしめようとした。
涙に暮れながらも身を起こし我が子二人を抱き寄せようとしたその瞬間だ。
あいつは自分のお腹を痛めたかけがえのない宝を自分自身の生身の体で
抱きしめようとした。
その瞬間だ。まさしく次なる行動へと身を起こしたその瞬間だった。
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あいつは目を覚ます。事務所のソファーに横たえたあいつはつぶらな瞳を開ける。
天井の蛍光灯がまばゆい。熟睡できたのであろう。
短い休息の時間ではあったが体は身軽になり襲われていた体の疲れからは解放されたようだ。
あいつは体を起し立ち上がると早々事務所を後にすべく帰りの準備を始める。
「今日くらいは早めに帰るか~。」と背伸びをし大きな欠伸をする。
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あいつは町工場の事務所のシャッターを下ろすとコンクリートジャングルに覆われた博多の街の
道路を足早に歩み始める。
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しかし、あいつは事務所のソファーが濡れていたのを気づいてはいない。。。
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それでは又です。
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読破。
「琉転の海 第二部」宮本輝著
人間の機微の表現が非常に興味深い。愚かしくもあり凄くもある人間の姿が
威風堂々と表現されている。
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読破中。
「創造する経営者」P.F.ドラッカー著。
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読破中。
「竜の卵」ロバート・L・フォワード著
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2008.5.18by 博多の森と山ちゃん
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