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2008年03月31日

3月31日 何とか年度末最終日納品終える。股いや又しても(最終話)。。。



実際製作を始めその工程状況でしか納品日が把握できなかった年度末最終日納品要請の
まれにみる短納期ベルトコンベア。
お陰様で本日何とか電気工事、蛇行調整等最終調整そして試運転までこぎつける。
無事本日3月31日納品完了。
関係各位本当に有難う御座いました。感謝に堪えません。


ひとまず安堵の溜息をついているところだ。
しかしもちろんゆったりと安寧の心地に浸る暇などない。
明日からは遠方へ泊まり込みでの現場出張工事だ。

しばらく今ブログは更新されませんがどうぞお許しを。。。





其れでは今年度年度末最終日にちなんで、誰も読んでいないと思っていたら
密かに誰かが読んでいたそこはかとないあのお話の続きの最終話を。

以前の内容はお手数ですが下記エントリーをお読みくださいませ。

股いや又しても(1)
股いや又しても(2)
股いや又しても(3)
股いや又しても(4)
股いや又しても(5)




とうとうあいつの完璧な眩いばかりの全身全霊が醸し出されその成果が
世間の前へとさらし出されたのだ。
これよりあいつの零細女性ばかりの町工場にも眩しい輝かしい脚光が照らされるの
間違いがない。
僅かな時の流れの中で。僅かな一昼夜という時間で。

いよいよ完成した図面はプロッターのインクにより一枚の紙へ描き始める。
描かれる真黒なインクはA1版の何も描かれていないまっさらな真っ白な紙面へ
あいつの頭脳全てを背負って走り始める。。。




あいつは今更ながら図面がプロッターにて描かれる様子をつぶらな瞳で見つめる。
プロッターによる印刷ペンの先端はあいつの視線に答えるがごとくに左右に滑らかに動き
刻一刻とあいつの全身全霊たる図面を描いている。
事務所にはその動作音のみが響き一定のリズムを刻む。
決して乱れることなく決して途中で途絶えることなく見つめるあいつの聴覚を柔らかに
刺激する。
人生において最後であろうあいつが描いた図面が目の前に現れる様子を決して脇目も
振らず見つめる。
無表情に。冷静に。静かに。
今まで起こった過去の事実など一切存在しなかったかの如くに。
何ら過去を振り返らずに、決して後ろを振り返らずにただ目の前の現象を見つめるだけだ。
最早あいつの頭の中には何も残ってはいない。
それこそこの図面書きでこの世ですべき事項は全て終了したのだ。

いよいよまっさらな真っ白なA1版の紙面は真黒なインクにてありありと堂々とそして
勢いよく描かれた機械の模様が描き終えると図面受けに落ちる。
その音は描く動作音の終了の響きでもある。

身動き一つせずその様子を眺めていたあいつは身を乗り出し今しがた描き終えられた
図面の紙面を手に取る。
すかさず広げると机の上に大きく広げる。
まざまざと黒色の機械模様を眺め、顔を近づけ細かい線の一本一本まで嘗めつくすように
視線を動かす。
しばらくあいつの目は広げられた図面にくぎ付けになりひたすらその動作は続けられる。

残り少ない人生のあいつは突然顔を上げそして一人呟く。
「この世に完璧な図面などあるはずもない。常に変化しそして常に進化するのが
ものづくりだ。完璧だと思うのは驕りに過ぎずそう思った時点でものづくりに携わる
人間としては即座に失格だ。」

そう言葉を吐くと安心したのか椅子にどっしりと座り瞼を閉じる。
そして待った。あいつは待った。次なる時の流れを迎えるために。
次にあいつに起こるであろう出来事をしばらく待った。
あいつはもちろん今まで経験したことのない死を。
決して後悔などせず。決して後ろを振りかえることなどせずに。

だが無理だった。やはりあいつも人の子だ。
何も考えなければ思い浮かばないであろうと思っていたのだが。
頭をからっぽにし何も考えなければ決してとらわれないと決め込んでいたのだが。

一旦少しでもあいつが思い返すととめどもなく切ない心地に襲われる。
決して後悔はしてはいないはずであるのだが次々とあいつにその思いは襲いかかる。
確かに碌に遊んでやれなかった。確かに一緒に楽しい時を過ごしたのはわずかかもしれない。
しかし、あいつにはやるべき事があった。あいつは息子との過ごす時間を最大限削って
女性ばかりの町工場へ身を捧げた。
仕方がないではないか。俺に与えられたそれが使命だったのだ。
家族より町工場のために懸命に時間そして体を預ける事こそが俺の人生だったのだ。

いつしかこみ上げ頬を濡らし流れる。しかし、決して拭いなどしなかった。
とめどもなく流れる涙を決してあいつは拭く事などしなかった。
それが我が息子の面倒を見なかった償いとばかりに。
涙の量が我が息子への愛情の大きさを表してるとばかりに。

あいつに残された時間はすでにほとんどない。
濡れた顔のままその時が来るのをひたすら待つしかなかった。


あいつはふと目を覚ます。
濡れた瞳のまま目を開けぼんやりとだが熟睡しているのだろう気持ちよさそうに
ぐっすりと寝入っている我が息子の寝顔が目に入る。
しばらくその可愛らしく愛おしいその顔の表情を見つめいつしかあいつは微笑む。

そしてあいつは決して涙を拭わず我が息子の横で再び目を閉じる。




あいつはいつしか微笑んだままぐっすりと寝入る。




このあるお話はこれで終了です。
最後までお付き合い有難うございました。
どうぞお気軽に感想を。特に1日500以上アクセスされるスパムの皆様方。




それでは又です。


読破中。
「創造する経営者」P.F.ドラッカー著。


読破中。
「竜の卵」ロバート・L・フォワード著


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2008.3.31by 博多の森と山ちゃん



2008年03月29日

3月29日 あいつはとうとう休むのか。。。



年度末という日付がより一層慌ただしさを引き立てる。
最たる美貌を誇るあいつ女性専務は実のところ今現在の仕事量を慮ると
一日たりとも休日など取りたくもない。
確かに常に真っ赤なミニスカートでスラリと伸びた魅惑の2本足をほんの少し隠した
あいつは1月3日以降は毎日長時間労働に励み休日などあるはずもない。
しかし、いよいよどうも取らねばならぬようだ。
とうとうあいつは仕事を休む日を取らねばならぬ状況に陥る。
明日暦上での日曜日はあいつの家族のたっての要請により休日という家庭の仕事に
精を出さねばならないのだ。




下記写真は高周波焼き入れ後研磨されたシャフト。
硬度を求める場合この方法を取ることが多い。
硬度から言えばシャフト補修には溶接肉盛後硬質クロムメッキを施し研磨する方法がある。
だが、その製品の大きさ、長さによっては新規に製作した方が安価な場合もある。
焼き入れ研磨か硬質クロム研磨のどちらの方法を取るかは常にコストを睨みながらと
なるのは周知の事実だ。




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あいつの町工場は一体何を製作しているのか。
既に工場内からはみ出てトラックに積みっぱなしの部品がある。




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来週月曜日で怒涛の3月年度末もいよいよ終了だ。
だが、女性ばかりのあいつの町工場は4月に入ると早速泊まり込みでの遠方出張工事だ。
では今ブログの次の更新は一体いつになるのであろうか。
そして誰も読んでいないそこはかとない何でもないあのお話の続きはいつのなるのであろうか。
それはあいつでさえ分からないと言う。




えっつ。おいおいっ。

そんな愛おしい口元に可愛らしいつぶらな瞳で見つめられた上、出るところは出た
抜群のスタイルを何とか覆っている作業着の上着のファスナーを静かにそして密かに
下し始めたとしても。。。




困るだけだ。。。




それでは又です。


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2008.3.29by 博多の森と山ちゃん



2008年03月27日

3月27日 既に次なるものづくりが工場を占領。そして股いや又しても(5)。。。



最たる美貌のあいつ女性専務は真っ赤なミニスカートでほんの少し隠したスラリと伸びた
魅惑の2本足で日頃客先へと彷徨い歩く。
いつの時代でもそうであるが特に最近企業間格差の大きさに身に染みて感じ入る。
儲かっている会社そして四苦八苦の企業。
昨今の時代背景の影響ももちろんあるであろうが時は常に変遷を重ねその動きに
追随しながら変化を続けている会社ほどどうも元気があるようだ。
あいつの女性ばかりの零細町工場とて常に客先の動向を掴んでおかねば
ついぞ客先そのものがこの世から消え失せることが日常茶飯事の現代に
巻き込まれると最たる弱者である小さな町工場は一瞬にして吹っ飛ぶ。
情報とは常に外、その客先にあり決して社内、セミナー、仲良し懇親会などには存在しない。
ある団体に属する暇があれば新規のお客の開拓に励みその継続に時間を割く。
ものづくりを続ける限り次なるものづくりのアイデア、ヒントをその客先より聞き出す事こそが
常に変革を続けそして生き残るための最も重要な手段であるのは書くまでもないであろう。




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今頃すんません。誰も読んでいないと思っていたら密かに誰かが読んでいた
そこはかとないあのお話の続きを。

以前の内容はお手数ですが下記エントリーをお読みくださいませ。

股いや又しても(1)
股いや又しても(2)
股いや又しても(3)
股いや又しても(4)




到着した目的地はあいつの町工場の事務所だ。
あいつが先程まで知識労働に励んでいたはずの事務所だ。
明かりもそのまま灯っており一気に2階へ階段を駆け上る。
事務所を出た際と全く変化がない様子を確かめるとあいつのいつもの定位置である
パソコンの画面の前の椅子に座る。そしてひたすら画面に見入りキーボード、マウスを操る。

このものづくり製品の図面さえ完成させれば。
既に構想は頭に明確に描かれているこの製品の構造を図面化できれば。。。




全く時間の余裕がないあいつはそれこそ死に物狂いだ。
あいつを目の前に待ち構えている死に対し生きることを許された短い時間にただひたすら
パソコンに向かう。
あいつの脳細胞に描かれてはいる内容をCADソフトを駆使し画面上に完成させる事こそが
実のところ行うべき行動なのだ。
これだけ出来上がれば。これこそが完成さえすれば。
常日頃四苦八苦しながら懸命に生き残るために苦心しているあいつの女性ばかりの
町工場はこの完成図面により少しは息をつけるはずだ。
この図面さえ出来上がれば職人の仕事を見つけるための会社の苦労は少しは
和らぐはずだ。
いやそれどころか次々と仕事は舞い込み多忙を極めることになるであろう。
それほど画期的でありそして時代に合致した素晴らしき内容なのだ。
あいつは今まで自分の家族を顧みなかったのは事実だ。
しかし、それは最たる弱者である女性ばかりの職人が飯の喰いあげにならぬよう。
会社そのものが電話帳から消え去らぬよう。そのためだけに一心不乱に働いたためだ。
決して後悔はしていない。もし会社経営が行き詰れば。会社が消え去れば。
女性ばかりの職人は路頭に迷い。そしてついてはあいつの家族さえ大きな借金を抱え
夜逃げ同然でこの世を彷徨い歩く漆黒の人生が待ち構えている。
その心配、不安に立ち向かうからこそ懸命に働きそして休みなど放棄して体全身で
必死に立ち向かう。
あいつはその苦労、苦心など分かってもらおうなど露ほども思ってもいない。
死に物狂いの毎日を誰かに理解してもらおうなど贅沢な考えなどあるはずもない。
ただひたすら働きただひたすら行動する。愚痴、不平不満など決して漏らさず。
目の前の状況、自分に振りかかる境遇は全てが自分の責任であり決して他人のせいでも
何でもない。
だからこそ言い訳など一切せずひたすら努力しそして仕事に励む。

その成果が図面だ。その全身汗した努力の結果こその図面の内容なのだ。
あいつは必死だ。脇目振らず一心にパソコン画面に向かいマウス、キーボードを操る。
それこそ何かに取りつかれたように休憩一つ取らずに。
あいつは口一つ開かず無口に眼光だけが鋭い。
一刻一刻無情にも壁に掛けられた時計が時を刻む。
一秒一秒刻まれる時計の針の進捗はあいつの残されたこの世での人生の最後への
門出だ。
時はあいつの体を蝕みついには消え去らねばならない。
時の刻みとは確かに誰しも定められた掟であり決して破り捨てることなどできない決定ではある。
その掟がただ今のあいつの境遇ではには目の前に歴然と存在しそして理解せざるを得ない。
それは決して自然ではないはずであるのだがいつの間にかその時の流れは自然でもある。
自覚しなくても自覚せざるを得ない決定打でありそれは既にその打撃はあいつの
体全身に沁み込まれそして追随せざるを得ない決して逃げ去ることなど出来ない現実の
時の刻みの運命そして宿命に違いない。

時の刻みは太陽を地上に照らしだしそしてそして次なる月の明かりが地上を灯す。
その時刻は地上を照らす唯一の明かりである満天な月明かりはあいつの図面完成の
時の知らせでもあった。
ついぞあいつの頭の中身はパソコン画面の完成図面として赤裸々に映し出される。
いよいよ完成だ。
とうとうあいつの完璧な眩いばかりの全身全霊が醸し出されその成果が
世間の前へとさらし出されたのだ。
これよりあいつの零細女性ばかりの町工場にも眩しい輝かしい脚光が照らされるの
間違いがない。
僅かな時の流れの中で。僅かな一昼夜という時間で。

いよいよ完成した図面はプロッターのインクにより一枚の紙へ描き始める。
描かれる真黒なインクはA1版の何も描かれていないまっさらな真っ白な紙面へ
あいつの頭脳全てを背負って走り始める。。。




股いや又しても次回へ続く。。。




それでは又です。


読破中。
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2008.3.27by 博多の森と山ちゃん



2008年03月24日

3月24日 先ずは御礼。そして、我らが職人はひたすらものづくりに励む。。。



我が町工場に設置されてある破砕乾燥装置。
本日、テレビ取材そして超一流メーカーさんの見学は無事滞りなく終了したことに
お喜び申し上げます。
全く我が町工場の手助けを必要としなかった旨見事です。
今後この装置で完成した製品はより一層日本国中に広まる事は先ず間違いがありません。
時代ニーズと合致しており更なる御発展は確実だと言えるでしょう。
本日で我が町工場でも本番試運転は終了しますが今後ともご指導のほど宜しくお願い致します。


株式会社グリーンテクノ21 下社長

テクニカル機工株式会社 平川社長

本当に有難うございました。


そして後日いよいよ現地据付となります。。。


















それでは又です。



2008年03月23日

3月23日 股いや又しても(4)。。。



最たる美貌を誇るあいつ女性専務はもちろん本日も知識労働に勤しむ。
確かに3月年度末と言うこともあるが昨今の慌ただしさはこれまでにないものだ。
あいつの女性ばかりの町工場は当然ながら何件も同時進行だ。
それは常なる一品料理の動くものづくりであり当然ながら動く機構、仕組みが重要だ。
其の考えを一気に束ね視化させる出発点である図面は重要な役割を占める。
動くものづくりを図面化させるにはやはりアイデアが欠かせない。
熟慮し頭をひねり存分に脳を活性化させ次なるものづくりアイデアを捻り出す。
重要不可欠であるが故に四六時中頭にその動きを思い浮かべる。
そこには決してくつろぐ休暇など悠長な時間があるはずもない。。。


実のところゆうくり休みたかです。





今更ですが誰も読んでいないと思っていたら密かに誰かが読んでいた
そこはかとないあのお話の続きを。

以前の内容はお手数ですが下記エントリーをお読みくださいませ。

股いや又しても(1)
股いや又しても(2)
股いや又しても(3)


其れでは続きを。




その空間には一切音がない。あいつい自身の動く動作音しか空間には漂わない。
呼吸は出来る。苦しくはない。匂いがない。何も匂わない。


だがおかしなことにそこを気づいていなかった。
いましがたまで眠っていた地面がどういう状態であったかということを。
あいつは今2本足で歩いているその足元が何故何であるかを
まずは考えなかったのであろうか。。。




あいつはしばらく彷徨い歩くがあきらめる。
いくら暗闇であっても心地よい歩みがあいつをしばしの歩く動作を促進した。
原因である足元は柔らかで非常に歩きやすい。
程良い滑らかさで硬すぎずそして柔らかすぎず。
空想、漫画等でよくあるまるで雲の上を歩いているような心地だ。
明かりは全くなく漆黒のみが目の前を占領しているために実際は何であるかは
分からない。
あいつはしばしの歩みのせいで程良い疲れに包まれる。
いつしか真っ暗な雲の上に仰向けに寝転ぶ。
組んだ掌の両手を頭の下に置き真っ暗な空間を仰ぎ見る。
その安らぎに次第に視界は瞼が閉じることによる漆黒へと変化を始める。
うつろな意識であるが今だにあいつは大きな不信感に包まれている。
一体生きているのか。それとも死んでいるのか。
しかし、もし今現在死と言う境遇であればこれほど安らかなる心地はない。
あの一向に果てることのない地上の慌ただしい忙しさから解放されただ暗闇の空間を漂えば
良いのであればこれこそ最上のひと時を味わえる。
確かにこの先如何なることになるかなど一切分かるはずもなくその不安、心配はある。
あいつは眠りたかった。ただゆっくりと眠りたかった。
誰にも邪魔されず。地上での様々な心の動きから一切解き放たれただひとり
静寂に包まれひっそりと眠りにつきたかった。
そしてあいつが寝入ってしまうまでそれほどの時間は必要としなかった。

あいつはふと目を覚ます。どれほどの時間眠ったいたかなど認識出来得る物、そして
空間は一切あいつには用意されていない。
目を覚ましてもやはり視界はただ暗闇に覆われそして一切物音はしない
静かなるさびしさのみがあいつを覆う。
あいつは目が覚めたのは声だ。空間に漂う声があいつを睡眠を妨げたのだ。
聞き耳を立てその言葉を必死に認識しようとする。
艶やかでもあり透き通った一つ一つの言葉がはっきりと発音されている声だ。
声の正体が何であるかなど分かるはずもない。

「お前が本当に死ぬ前に一昼夜だけ猶予を与える。その間にし残したことを行うがよい。」
あいつの耳にはっきりとその文章は耳に入る。
他には何ら聞こえない。その内容のみで終わりだった。
あいつは今の状態が如何なる状況であるのかが先ず把握できず
そして如何なる行動を取るべきか思い悩む。
ただはっきりしているのはまだ死んでいないということだ。
しかし、あいつに残された時間の猶予はわずかでしかない。

いつしか手許のみがうっすらと明かりが灯り何かがそこにあるのかが分かる。
それは紐だ。どうもあいつの前に下がっているようだ。
あいつは両手でその紐を掴む。最初に右手そして左手で握る。
握りしめた瞬間だった。両手で紐を掴み握りしめたその時だった。
その途端引っ張られる。あいつは瞬く間に上に向かい引っ張られる。
ものすごい速度で。もの凄い勢いであいつは上へ上へと引っ張られる。
あまりの速度にあいつを向かい風が襲い今にも振り落とされそうだ。
しかし、残された力を両手へと集中させあいつは立ち向かう勢力に
懸命に耐える。懸命に握りしめ上へと昇っていく紐に全身をゆだねる。

それほどの時間は経過していないはずだ。
いつの間にかあいつは九州は福岡、博多の街のコンクリートジャングルに覆われた
アスファルトの道端に立っている。
そこはまさしくあいつが気を失い地下へと落ちたあの場所に間違いがない。
しかし、あいつが落ちたはずの穴は街灯のもとあたりを見渡すが見当たらない。

あいつには時間がなかった。あいつにこの地上での時間はほんの僅かしか残されてはいない。
走り出す。あいつは一目散に走り出した。息を切らしなりふり構わず懸命に走る。

到着した目的地はあいつの町工場の事務所だ。
あいつが先程まで知識労働に励んでいたはずの事務所だ。
明かりもそのまま灯っており一気に2階へ階段を駆け上る。
事務所を出た際と全く変化がない様子を確かめるとあいつのいつもの定位置である
パソコンの画面の前の椅子に座る。そしてひたすら画面に見入りキーボード、マウスを操る。

このものづくり製品の図面さえ完成させれば。
既に構想は頭に明確に描かれているこの製品の構造を図面化できれば。。。




股いや又しても次回へ続く。。。




それでは又です。


読破中。
「創造する経営者」P.F.ドラッカー著。


読破。
非常に疾走感あふれるSFの名作です。
「夏への扉」ロバート・A・ハインライン著


読破中。
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 明日はあいつの女性ばかりの町工場には何ら関係のないのですがテレビの取材が
 来るとですブログあるはず。
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2008.3.23by 博多の森と山ちゃん



2008年03月22日

3月22日 破砕乾燥装置。本日も本番試運転実行中。。。



この装置。
世界中どこを探してもどこにもありません。


















それでは股です。



2008年03月21日

3月21日 破砕乾燥装置。本番試運転開始。。。



この装置。
何と破砕と乾燥を同時に行うすぐれものなんです。


















それでは股です。



2008年03月20日

3月20日 今日も我が町工場へと足を運ぶ。。。



曇り空のせいもあるだろう。
早朝のいまだ薄明かりのもと我が息子を車で学校まで送りつける。
今日は部活の試合の日らしい。だが下級生は応援のみで試合出場は
叶わない。それでも車から降り立つと元気に後部座席のドアを閉める。
「行ってきま~す。」との言葉を残した愛息の足の歩みをフロントガラスより
見届けると再び真っ赤な我が家の愛車のアクセルを踏む。
本日の祝日と言う日にちは車道を行き交う車両の少なさで即座に認識ができる。
最たる美貌を誇るあいつ女性専務は日常と何ら変化なく厭わず仕事場である
我が町工場へと車を走らせる。




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到着した女性ばかりの町工場の扉の鍵を開けると今だ誰もいない静寂な空間へ
足を入れる。
この装置も本日の電気配線を終えるといよいよ本番さながらの試運転となる。
実際に処理物を持ち込み全ての機器の動作を確認する。




先ずは思わぬ苦労をさせられた亜鉛溶融メッキスクリューコンベアへ投入する。
密封性、搬送傾斜角度からこのコンベアが最も適している。




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もう一台のスクリューコンベアが中継する。このコンベアは現地でも天井吊り下げとなる。




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そしてロータリーバルブ。そして次にいよいよ破砕機へ運ばれる。
この破砕機は全く刃物を使用していない画期的な製品。
メンテナンス、部品交換の費用がかからないすぐれもの。
多数の特許も取得され既に実績もあり特に官公庁に多く納めれている。

それだけではなく今回は破砕しながら乾燥も行う。
破砕機へ熱風発生器を取り付け何と粉砕しながら乾燥まで行う。
既に半年以上の長期に渡る実際の処理物でのテストを行い良好な結果のもと
今回導入を決定している。




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これが乾燥を担う熱風発生器。
破砕機での粉砕運動だけでもある程度乾燥する。
その理由は破砕機独特の他には見れない遠心構造にある。
もちろん特許にてベールに包まれており口外は難しい。




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破砕、粉砕されるとホッパーへ貯蔵される。
ブリッジ等の架橋防止のためアジテータ、邪魔仕切り板等ホッパー内部は
工夫がなされている。
破砕物搬送はホッパー上へ設置されている集塵装置にておこなう。
コンベア、エアー搬送用送風機等は全く使用しない。




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貯蔵物はホッパー下スクリューコンベアで搬出されロータリーバルブにて
搬出量の制御を行う。




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そして最終の袋詰めパッカー装置へと運ばれ一連の動作が終了する。




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パッカーのみの制御盤。




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装置全体の制御盤。
回転レベル計のチャタリング防止用タイマー、インバータ、アンペア計など
あらゆるものが網羅されている。
かなり大きく重量もある。




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いよいよ明日より本番さながらの試運転開始となる。
この装置で完成されるものは今世間を騒がしている時代最先端な代物だ。
そのためテレビの取材そして超大手メーカーさんが見学に来られるらしい。
しかし、我が町工場には何ら関係がない。
ただただ、工場内で仕事している我らが職人の邪魔だけはしないよう
切にお願い申し上げます。
毎日毎日ものづくりに励まねば我が町工場は即座に飯の喰いあげです。




それでは又です。


読破中。
「創造する経営者」P.F.ドラッカー著。


読破中。
「夏への扉」ロバート・A・ハインライン著


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2008.3.20by 博多の森と山ちゃん



2008年03月19日

3月19日 我が町工場は一体何をしでかそうとしているのか。。。



電気配線終了すれば本番試運転開始です。

















それでは股です。



2008年03月18日

3月18日 亜鉛溶融メッキスクリューもう一台手直し終了。。。



こんな事に手間取る暇などあるはずもない。


















それでは股です。



2008年03月17日

3月17日 亜鉛溶融メッキスクリュー1台ようやく良好運転。。。



亜鉛溶融メッキスクリューコンベア。
改良の上1台はようやく試運転良好となる。
もう1台は今だ手直し実施中。
予想外の多大なる時間人件費用の出費。
今後への教訓ではあるがスクリューコンベアでのこのメッキだけはやるべきではない。

















あのお話の続きはいずれ。

其れでは股です。



2008年03月15日

3月15日 何てことない我らが職人の焼き入れの様子。。。



何でもこなせて初めて職人の称号が。。。


















明日ももちろん仕事。
最たる美貌に抜群のスタイルを誇るあいつ女性専務は長期間の休みなしの仕事の為
いよいよ疲れがピークを迎えているようだ。
頭痛、腹痛そして倦怠感。その上今だイニシャルHは燦然と健在だ。
だが、こんなことでへこたれていてはあいつという称号を汚すだけだ。


ただただ眠たかとですばい。

あっ。誰も読んでいないと思っていたらリクエストを頂戴したあのお話の続きは明日に。




其れでは股です。



2008年03月14日

3月14日 既に次なる案件製作中。。。



ものづくり同時並行は当たり前。


















其れでは股です。



2008年03月12日

3月12日 亜鉛溶融メッキ後のスクリュー軸矯正に手間取る。。。



亜鉛溶融メッキ後のスクリュー軸の予想以上の歪。
そしてメッキ高温熱による材質硬度の変化に驚く。
今後矯正、本体の改造が必要だ。
今回は低価での酸化防止対応と言うことで行ったが今後二度とやるつもりはない。
こんな事に時間を費やしていては儲からないどころかいずれ我が町工場の名前は
電話帳から消える。


















其れでは股です。



2008年03月11日

3月11日 ホッパーアジテータ、スクリュー試運転開始。そして股いや又しても(3)



マスフロー第一のホッパスクリュー試運転のため我が町工場で組立中。
実際の空での試運転ではアジテータ、スクリュー共に何ら問題はない。
今後も部品組み立ては続く。



















お陰様でてんやわんやの毎日でございます。
私目は休みなしの仕事が愛人であります故、免許の更新そしていつもながらの散髪と
個人的行事は一切こなせない状況の上見捨てられたとの小言が既に大言になっている
我が家族に白い目で見られながらも歯を食いしばるどころか眠気覚ましに噛むガムのため
奥歯が痛む今日この頃です。
既に体は浮足立ち天にも昇る心地で息絶え絶えで御座います。
この先私目が如何なる状況を迎えようとも誰も助けてはくれないことはもちろん
承知しております。
それは零細町工場とて同じことで弱肉強食の生物の世界で生きている限り
競争相手はむしろ他人の不幸を喜ぶのが常でございます。


さりとて、これからも生きていく限り付き纏う不安、心配と如何にうまく付き合って行くかが
短くも長くもある人生を有意義に過ごせるかどうかの大きな鍵を握っているのでは。

皆様はそうは思われませんか。。。




其れではそこはかとないどうでもよい誰も読んでいないあるお話の続きを。


このままあの世にいけるのか。
あいつはわずかな意識のもとほっとした安らぎの心地を感じていた。
もうこれで心配などしなくて良いのか。もうこれで何もかも終わりなのか。
とうとうあいつの意識はなくなりただ時の流れに身を任せ落ち行くのみだ。


ところがだ。。。




あいつは目を覚ます。
生きているのだろうか。意識が戻ったようだ。
あいつは仰向けに寝転がっている。つぶらな瞳は輝き開いてはいるのだが何も見えない。
周りで真っ暗で静かだ。物音ひとつしない。自分自身の呼吸の音色が周りに響く。
先ほどまでも自分の姿が思い返される。
確かまっさかさまに落ちて行ったはずだ。そして途中で気を失う。
今現在の自分の様子に当然ながら疑問を持つ。
体はどこも痛い個所はない。あの速度で落ちたのあれば無傷なはずがない。
むしろ生きているのがおかしいくらいだ。あいつは自分の手で体中を触る。
顔、、胸、腹そしてわざわざ起き上がり魅惑の2本足に触れる。
真っ暗で視界がないため物事の確認は手の感覚、触覚に頼るしかない。
体は五体満足だ。何不自由ない。
痛みがない上、どこを触ろうと傷一つない。
では生きているのか。あいつは生きていることに疑問を持つ。
もしかするとここはあの世で既にあいつは死んでいるのであろうか。
あいつはその場で立つ。2本足で立つことができる。
俗に言う幽霊ではないようだ。ではいったいあいつは如何なる状況にあるのか。
あいつは視界がない暗黒の空間を歩き始める。
両手を前に出し掌をかざしゆっくりと彷徨う。それは全くの暗中模索の状況で
あるが先ずは自分自身が一体如何なる空間に存在しているかを確かめたかった。
ここはどこであるかを確かめるため暗黒の世界を彷徨うことにしたのだ。
そこ空間には一切音がない。あいつい自身の動く動作音しか空間には漂わない。
呼吸は出来る。苦しくはない。匂いがない。何も匂わない。


だがおかしなことにそこを気づいていなかった。
いましがたまで眠っていた地面がどういう状態であったかということを。
あいつは今2本足で歩いているその足元が何故何であるかを
まずは考えなかったのであろうか。。。




股いや又しても次回へ続く。。。




それでは又です。


読破中。
「創造する経営者」P.F.ドラッカー著。


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「夏への扉」ロバート・A・ハインライン著


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2008.3.11by 博多の森と山ちゃん




2008年03月09日

3月9日 股いや又しても(2)。。。



やはり静かだ。
ただひとり事務所内で佇む自分に向かう音色は天井に設置された暖房機の運動音そして
壁に取り付けられた換気扇の風切り音のみか。
いや違う。
壁掛け時計の時を刻む音も明確に耳へ入る。
外からの騒音はたまにしか聞こえず飛行機そして自動車のエンジンそして走行音。

だが、総じて本来それのみで生きてゆけるはずの自然音は一体どこへ行ったのか。
いずれ自然音と人工音の区別など必要なく懸命にかき鳴らしている静寂なる
自然の音色を聞くことすら拒否する時代がやって来るのであろう。
もしかすると本来備わるべき人間と言う生物の聴覚の感覚は既に退化への道を
ひた走っておりそれこそ人間は一歩一歩生物と言う存在から次なる生き物への変遷を
辿っているに違いない。
自然界からひたすら隔離された未来の人類とは如何なる進歩を遂げのか。
それとも進歩とは全く逆の道を進むのか。

コーヒーカップを右手に取る。そして口に入れる。
味わいは紛れもなくインスタントであるがコーヒーである。
どうも紛れもなく私目はこの世でまだ生きているようだ。





さりとて生きているのであれば昨日の続きを書くことにする。
其れでは誰も読むはずもないそこはかとないある話をご堪能下さい。




それは突然だった。それは全く予想だにできるはずもない驚くべき出来事だった。

あいつは足を取られる。
街灯の薄明りのみを頼りに懸命に走っていたためそこに穴があるなど思いもしない。
右足を穴に取られ即座にそのまま落ちる。
瞬く間に全身が穴の中へ入り込みまっさかさまに落ち始める。
あいつは何が何だか分からない。突然の変化が無意識のうちに引き起こされた。

自分の体が地下へと落ちているのは分かる。
しかし周りは真っ暗で何も見えない。暗黒の空間の中体全身力を入れもがくがどうしようもない。
手に触るものなどなくあいつの体に当たる物などない。
落下速度は増すばかりで体は総毛立ち猛スピードで落ちているため呼吸することすら
必死にせねばならない。
地球の中心に向かい大きな引力があいつの体を引き寄せる。
どうしてこういう事態になったかなど理解しようがなくあいつは頭から果てしない地下の
空間を落ちる。
それこそ暗黒の地獄へと向かっているかのようだ。
そのうち意識すら朦朧とし出す。それほど長い時間真っ暗な空間をひたすらまっさかさまに
落ちている。
わずかな自覚出来得る意識の中あいつはあきらめる。とうとうあいつは投げ出す。
どう動こうと、どうわめこうが、どうもがこうが今起こっている事実がなんら変わることはない。
それどころかもはや体を動かす気力すらなくなっている。
一切の行動をやめ既に死を意識する。このまま死への道へとまっしぐらだ。

生きる事への執着がなくなるとさらに意識がなくなり始める。
目を開けることをやめ呼吸すらどうでもよい心地だ。
体の一切の力は抜けもはやもぬけの殻だ。

確かにあいつは既に疲れていた。
連日の休みなしの仕事。家では家庭を顧みない事への毎日浴びる小言。
冷やかな世間。零細企業は誰も助けてはくれない。
不安。心配。毎日胸が張り裂けんばかりにもがき苦しんでいた。

このままあの世にいけるのか。
あいつはわずかな意識のもとほっとした安らぎの心地を感じていた。
もうこれで心配などしなくて良いのか。もうこれで何もかも終わりなのか。
とうとうあいつの意識はなくなりただ時の流れに身を任せ落ち行くのみだ。


ところがだ。。。


股いや又しても次回へ続く。。。




それでは又です。


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2008.3.9by 博多の森と山ちゃん




2008年03月08日

3月8日 股いや又しても(1)。。。



番外弱者である際立つ美貌を誇るあいつ女性専務の女性ばかりの町工場は
常に次なる戦略を練る。
魅惑のスラリと伸びた2本足で稼いだ情報によると今年の夏もよリ一層熱き戦いに
なりそうなのが「ドライミスト噴霧冷却」
昨年の暑い夏は弊社もこのドライミスト、濡れない水の戦略に乗りかかり、実のところ
かなり恩恵を受けた。

特にあるノズルメーカーの先陣を切ったファン式ドライミスト装置はかなりの台数が出回った。
一番煎じの恩恵を存分に浴びたわけだ。
当然ながらそのメーカーを挫くため他メーカーも次々と新製品を出す計画は既にあいつの
耳に入っている。

女性ばかりの我が町工場ももちろん力を入れる。
さすれば今年の夏はしのぎを削る戦いのため、より一層熱くなるのはやはり嘘偽りではない。





さすがに今日は3月第2週目の土曜日。電話は何本かしか入らない。
我が町工場さえ塗装を乾燥させる期間を考慮し本日は休日。
明日は現場工事もないため久方ぶりの連休だ。
さりとてあいつ女性専務には休みなどあろうはずがない。
ものづくり知識労働に何ら厭わず精を出す。

さすがに3月に入り日中の寒さは緩み始めた。
だがやはり夜はあいつの席の横では遠赤外線効力よる灯油ストーブが構える。
そのやんわりとした温かさと休みなしの労働によるまったりとした疲れの相乗により
あいつの瞼がいつしか閉じられそうになる。
自身は即座に目を開こうと試みるがその抵抗むなしく目の前の視界が遮られ
真っ暗となる。
耳に入る周りの騒音さえもが子守唄となりあいつの意識をなくす手助けとなる。

首が前へと垂れそうになる瞬間にあらんばかりの力を注ぎ背中を伸ばす。
そして思いきり両手を上へと差し出す。
立ち上がり出来る限り天へと高く背伸びを試みる。
そして歩く。先ずは事務所内を。そして階段を駆け下りコンクリートジャングルに覆われた
九州は福岡、博多の街のアスファルトの道端へと一目散に体を乗り出す。
走る。ひたすら走る。
魅惑の二本足をわずかに隠した真っ赤なミニスカート。抜群のスタイルを抑え込んだ
紺色の作業着の上着。そして常日頃脚の筋肉が鍛われている鉄芯が先端に埋め込まれた
黒の安全靴。
いつも変らぬ出で立ちであいつは呼吸荒く走る。
両手両足を懸命に動かしあいつにとっては素早く走り込む。
あいつ自身どこに向かっているかなど考えもしない。
どこへ行こうとどこへ辿り着こうとただ走るのみで何ら考えはしない。
全脳細胞そして体全身の神経細胞をひたすら走ることへと一心に集中させる。

魅惑の美しき2本足が駆ける。誰もが振り返る艶やかな美脚が博多の街を駆け巡る。

それは突然だった。それは全く予想だにできるはずもない驚くべき出来事だった。




股いや又しても次回に続くかよ~。




それでは又です。


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 今回のそこはかとないどうでもよい誰も読もうとしないあるお話は果たして期待してよいのか
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2008.3.8by 博多の森と山ちゃん




2008年03月07日

3月7日 いよいよ組み立てに入るのか。。。



上塗りも終わりいよいよ組み立てに入るのか。。。




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其れでは誰も読んでいるはずもないそこはかとないあるお話の続きを。
前回の内容は「3月2日 もしかしたら間もなく完成するのか。。。」をご覧ください。

内容に入る前にお礼を。
いつもメールや直接お電話あるいは商談の場でご声援頂き誠に有難うございます。
そのお声があるからこそ書けるようなものです。
もしも何もなしにこんな内容を書けるとしたらそれこそ私目は○○○○に違いありません。



先ずは前回の終りの部分の抜粋から。。。



手を離しでもすれば。ここで落とされでもすればあいつ自身の体は木端微塵だ。
あいつには既に驚き、訝しさなどなくただ怖さのみに包まれる。
天に浮かび上がったあいつの体はとめどもなくさらに上へ上へと引っ張られる。
止まることなくむしろ速度をさらに上げながら。
あいつの体は既に地上からは確認できない。
天に浮かび上がった一つの黒点は瞬く間に消え去った。



そしてようやく続きを。読む時間などない方もごゆっくりとお読みください。




あいつはただ引っ張られる紐を握っているだけだった。
天が引っ張る勢いの強さに必死の形相で懸命に抵抗を尽くすのみだった。
天高く舞い上がるに連れ寒さは増しそして呼吸も苦しくなる。
引っ張られる事による天井より襲い掛かる風の勢いは増すばかりだ。
握りしめている紐に対する掌そして腕の感覚が次第に麻痺し始める。
両手、腕がしびれそれこそ引きちぎれそうだ。
あいつの精一杯の紐を握る両手の力は次第に落ちていく。
紐に対する思いのみで他の事を考える暇、余裕などあるはずもない。
もし紐から振り落とされでもすればそれこそ待ち構えている死の餌食だ。

あいつの懸命の努力にもかかわらずいよいよ事は起きた。
必死のあらんばかりの誠一杯の力をとうとう出し尽くす。
あいつの既に麻痺している両方の掌からするりと紐が抜ける。
それは一瞬の出来事でありそれは十分な認識がされなかったあいつの行動だ。
耐えることができなかった。誠一杯頑張ったのに。
あいつの天に向かっていた体はとうとう先程まで魅惑の2本足で立っていた地上へと
まっさかさまに落ち始める。

それは登る速度以上の速さであいつを落とす。
頭を先頭に地上に向かいただ落ちていくのみだ。
あいつを待ち構えているのは当然ながら死のみだ。

死の直前のためだろうか。
あいつの過去の人生が走馬灯のように思い浮かぶ。
それは今までの生きてきた長い過去がほんの一瞬の出来事のようにあいつの
目の前に浮かび上がる。
生まれたその時。よちよち歩きの頃。小学生から大学生まで。
そして成人。社会人。結婚。子供の誕生。そして町工場での仕事。
瞬く間に過去の長き人生が映画のひとコマのようにありありと浮かびあがる。

とうとう死ぬのか。
あいつは死ぬ間際で後悔する。死の直前で思いを寄せても仕方のないことなのだが。
あいつは自分一人で生きてきたと思っていた。
誰の助けも借りずにたった一人でこの世で生活していたと思い込んでいた。
しかし違った。
通り過ぎた人生は死の直前の過去を振り返った瞬く間の映画のひとコマが思い返されるに
孤独だと思い込んでいたのは間違いであったことに気が付く。
助けられあるいは力を寄せ合って生きていたのだ。
そこのは陰ながら支えてくれた人物もいる。
今更の後悔があいつの死を拒み始める。
あいつは死にたくないと思った。
あいつは助けてくれた人々にお礼一つせずに死ぬわけにはいかないと心から思った。
しかし遅い。死は間近だ。間もなくあいつはこの世から消え去る。

いよいよ地上が目の前に現れる。そして一瞬にしてあいつの目の前が既に地面だ。。。





トントンと誰かがあいつの肩を叩く。
あいつは目を覚ます。事務所のパソコンの前でうつぶせで寝入っていた体をうつろに起こす。
ゆっくりと後ろを振り返る。
そこにはあいつの旦那が笑顔で立っている。そして口を開く。
「ぐっすり眠っていたぞ。」
あいつのつぶらな瞳は今だ半分は瞼で閉ざされている。
しかしあいつは生きている。死んではいない。

茫洋とした顔つきのあいつに旦那は続けて声を掛ける。
「心配したぞ。なかなか帰って来ないもんだから。」
「眠っている息子はそのままで車で迎えに来たぞ。」

あいつはその言葉にようやく生きている喜びの微笑みで返す。
そして微笑んだままあいつは旦那へ言った。
それは生きているからこそ言える言葉に違いない。
決して後悔しないようにはっきりと言った。




「有難う。」と。。。




それでは又です。


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2008.3.7by 博多の森と山ちゃん



2008年03月04日

3月4日 下塗り。。。



最たる美貌のあいつ女性専務は本日もスラリと伸びた魅惑の2本足で情報集め、営業活動に
駆け廻る。
本日訪問した客先よりの唐突の発言はあいつを即座に驚愕の心地へと陥れる。
何と工場を閉鎖するらしい。約40年目でいよいよ解体とのことだ。

最近我が女性ばかりの町工場がお世話になっている何十年来のお付き合いの
お客様の工場がなくなるという現象が立て続けに起きている。
ここ何年かでこれで4件目であり業種も様々だ。
その工場跡地は即座に駐車場、商業施設になるなど様相が一変する。

時代の変遷、時の流れを常に肌で感じる。
それは常に外に魅惑の2本足を向けていないと晴天の霹靂の事実に
首を垂れ落ち込むだけだ。
本来の会社活動は常に新規お客先を獲得しそして継続させる事こそが
最重要なる内容だ。
だからこそいくら技術のものづくりを行っていると宣言したとしても営業活動に勝る
経営活動は何ら存在しない。
問題なのはその営業活動の内容でありそこにある戦略の重要性をいかに把握しているかが
鍵を握るはずだ。




お陰様で我が町工場の次なる動くものづくりは順調に推移している。
下塗りの塗装の工程に入る。下塗りの色は上塗りの色により決定する。




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マスフロー第一のホッパーの外形。




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そのホッパーの架台。




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マスフローを考慮したスクリューコンベアのトラフ。




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今回の動くものづくりも様々な工夫を施す。




それでは又です。


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2008.3.4by 博多の森と山ちゃん



2008年03月02日

3月2日 もしかしたら間もなく完成するのか。。。



我が町工場のものづくりは果てしなく続く。。。



















つぶらな瞳のあいつ女性専務は束の間の冬の寒さのゆるんだ真っ青な空を
仰ぎ見る。
瞳に映る青さは爽快感に溢れどこまでも透き通っている。
垣間見れる流れる白い綿菓子の形の雲が透明感をより一層引き立てる。
雲の流れの速度は日により違う。ゆったりとその場に構えるあるいは
一目散に駆けめぐりあるいは様々な格好に形を変えながら青空を謳歌する。

最たる美貌を誇るあいつとて常に時に流され様々な心模様の変化を施す。
あいつはただ独り、広い地球の星のなかただひとりで生きていると思っていた。
相談する者などいるはずもなく誰一人あいつの話を聞いてくれる人など
捜そうともしなかった。
この世、この世間で生きていく限り他人との交渉は必要だ。
常に会話を交わし人の話を聞きそして自分からも話す。
会話とはその時その場面で頭を動かし決して相手が傷つけぬよう話を続ける。
最大限相手を心地よくするをこころがけ会話を続ける。
行動すらそうだ。相手に気に入られるよう。他人が喜ぶよう。
生き続ける上で最も大切な笑顔は絶やさない。

だからこそひとりで生きていると思っていた。
常に相手の心情を鑑みそして相手を思い行動する。
そうすることこそが最も大切であるしそれこそがこの世で生き行く上での最も
良い方法だと。
だからこそあいつは孤独だった。そうすればするほどあいつは寂寥感に苛まれた。
あいつは所詮この世で自分の事など分かる人物など誰もいないと日頃嘯いていた。


真っ赤なミニスカートでスラリと伸びた魅惑の2本足をほんの少し隠したあいつは
国民の休日である静かなる日曜日ももちろん仕事だ。
喧噪の平日の遅れを挽回すべく静寂なる事務所内で懸命に知識労働に励む。
手慣れた手つきでCADソフトを操り一仕事である図面書きを終え一呼吸つく。

窓の外に見れる冬の青空に誘われいつしか事務所から自分自身を解放し
アスファルトの道端へと出る。
陽気漂う心地良さは空を見上げる余裕を与える。
見渡す限りの青い空は懸命にあいつへ癒しのうるおいをささげ届ける。
深呼吸の爽快感がそのうるおいへの反応だ。

あいつはふと気が付く。
上を向き顔を上げた姿のままあいつのつぶらな瞳にはっきりと映る。
それはみるみるうちに大きくなりかなりの速度で落ちて来る。
気づいた当初の驚きの感情はすでに訝しさで覆われる。
落ちてきたものは上向きの顔寸前で止まる。
その位置はまるで緯度、経度、引力、高度全てを計算尽くされ計ったように
あいつの目の前で止まる。
つい掴む。あいつは思わず天より下された紐を思わず握る。
最初に利き手の右手で。そしてその下を開いている左手で。
あいつは天へと繋がる紐を両手で無意識のうちに握り締める。

突然だ。それは呼吸する間も与えられない。
あいつは引っ張られる。天、空、上に向かって体が浮く。
両手で握られた紐が空に向かって引っ張られるのだ。
瞬く間だ。それは驚くべく速度であいつ自身今現在の状況すらはっきりしないままだ。
急激なる速度に引っ張られるがゆえにあいつへと向かう向かい風に手向かい紐をより強力に握る。
懸命に決して振り落とされよう無我夢中だ。
手を離しでもすれば。ここで落とされでもすればあいつ自身の体は木端微塵だ。
あいつには既に驚き、訝しさなどなくただ怖さのみに包まれる。
天に浮かび上がったあいつの体はとめどもなくさらに上へ上へと引っ張られる。
止まることなくむしろ速度をさらに上げながら。
あいつの体は既に地上からは確認できない。
天に浮かび上がった一つの黒点は瞬く間に消え去った。


そこはかとないどうでもよいあるお話は日曜日は特に誰にも読まれないので
次回へと続く。。。




それでは又です。


読破中。
「創造する経営者」P.F.ドラッカー著。


読破。
「アルジャーノンに花束を」ダニエル・キイス著
SFらしからぬ感動の名作です。


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2008.3.2by 博多の森と山ちゃん



2008年03月01日

3月1日 雲か~。。。



最たる美貌の女性専務は本日は事務所に閉じこもりひたすらパソコン画面との格闘だ。
CADソフトを操り次なる構想の図面化に勤しむ。
いつしか壁時計の針の動きに目をやり刻まれた数字への指示を頭に入れる。
現在の時刻を把握すると事務所の階段を駆け下りアスファルトの道へと足を入れる。





常に時の刻みとの争いの知識労働にしばし憩いの息継ぎを差し入れるべく
魅惑のスラリと伸びた2本足をほんの少し隠した真っ赤なミニスカート姿のあいつは
コンクリートジャングルを鮮やかに照らし出す太陽光のもと颯爽と歩み出す。
不意に立ち止まり顔を上げる。
空と言う見渡す限りに広がる真っ青な色の可視光線があいつの視覚を存分に
刺激する。
地球表面に漂う澄み切ってはいないが今だ人間が存在しうる有り難い大気を
口と鼻の両方の入口より存分に吸い込む。
顔をあげたまま大きく手を天を突くほどに伸ばし共に背も伸ばす。
地球と言う星の自然と一体化するべくあいつは多いに深呼吸を連ねる。
本日から3月と言う名称通りの温かな空気に覆われた幸福感を味わう。

空に漂う白き雲は風によって流れいつしか独特の模様を作り出す。
季節による違いはあるものの見る者にそれぞれの想像力を掻き立てる。
雲は果物であり、飛行機であり、自動車でもあり得る。
物以外でもある人物にもなり得る。
雲自身がその物あるいは者になるのではなくそれを見学する人間が自分勝手に
妄想、想像そして創作を施す。
だが、天高き自然なる雲はあくまでも想像上のものではなく目の前に歴然と存在する
事実のはずだ。
だが、そのものが見えない人物はいるし目に映った内容は人により違う。
その原因は決して雲にはなくそれを可視した人間なのは紛れもない事実だ。
それを不思議だとすればこの世には五万とそのような事項は存在する。

見えるものは実際はそれしかないのだが見た人物により口に出す言葉の内容に
違いがある場合がある。
自分の頭に思い浮かんだ内容をそのまま表現する者もあればそこにわざわざ
感情を取り込み全く違う表現を試みる人物も存在する。


あいつには本日の昼ごろ九州は博多の青空にゆったりと浮かんでいた
白き雲は図面化を施している機械に見えて仕方がなかったのだが。。。




それでは又です。


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「アルジャーノンに花束を」ダニエル・キイス著


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