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2月24日 そうだよね。今日(きょう)は。。(1)



相も変わらずあいつ女性専務は今日も知識労働に励む。
平日は外に出る機会が多く中々自分の席を温めることができない。
そのため日曜日と言う国民の休日こそが最たる美貌を誇るあいつにとって
恰好の仕事日なのだ。
静かなる休日こそがあいつにとっては最も都合が良い労働日なのだ。





降りしきる雪のなか傘を掲げ徒歩による通勤で何とか事務所へと到着する。
この地博多の街でも久方ぶりの銀世界が舞い込んだせいだろう。
人通りどころか車通りさえまばらだ。
朝の早い時刻と真っ白な雪が舞い散る空間が相俟ってひときわの静寂なひと時を模造する。
吐く息の白さはときに吹く突風により瞬く間に飛び散る。

抜群のスタイルが着こんだブルゾンからも垣間見れるあいつは厚手の
手袋のまま事務所のシャッターの鍵を開け、冬の寒さを解き放つべく事務所の階段を
一気に駆け上がる。
事務所内へ足を入れると屋内での仕事姿への変身を試みる。
手袋をはずし、マフラーそしてブルゾンを自分の体から解き放つ。
身支度が終わると即座に自分の席を占領しパソコンの電源を入れる。

本日の寒さへの必要な抵抗のため席の真横に灯油ストーブを配置する。
ひときわ本日は寒さが体に染み入る。気温の低さに窓ガラスを通して見渡せる
真っ白な雪が作り出す冬空の空間が追加されより一層の冷酷さがあいつを襲う。
あいつの真横にある灯油ストーブの真っ赤な赤外線の光のみが
冬の白き寒さへの唯一の反抗だ。
ストーブの遠赤外線の暖を独り占めしながら知識労働たるCADソフトによる図面書きに勤しむ。
時折窓を鳴らす雪交じりの強い風の音はあいつの眠気覚ましとなり
それこそに自然そして天があいつの仕事姿を応援しているかのようだ。

色白のスラリと伸びた2本足をほんの少し隠した真っ赤なミニスカートの出で立ちの
あいつはそれでも脳細胞の疲れを感じざるを得ない。
懸命にパソコン液晶画面に向かいキーボード、マウスと格闘し続けるのだが
次第につぶらな瞳の瞼が落ちゆく。
必死に瞼を上へ上へと向かわせるのだが中々神経細胞の信号が届かない。

ついぞ天井を見上げ立ち上がり大きく背伸びをする。
こぶしを握り存分の力を発揮し天を突く。大きな深呼吸をしながら両手を下げる。
あいつはハンガーへ掛けたはずのブルゾンを再び着込み先端に鉄芯で覆われた
安全靴が履かれた魅惑の2本足で歩み出す。
仕事の進捗を妨げる知識労働の疲れを癒すべく階段を駆け下り事務所を後にする。
今だ雪が舞い散るコンクリートジャングルに覆われた博多の街のアスファルトの道を
歩み出す。
いつもはものづくりの騒音で賑やかな女性職人ばかりの町工場も静かだ。
日曜日と言う曜日を思い出す。
既に屋根は雪の白さに覆われている。その白さに天から次々を落ちゆく白さが重なる。
雪とて重なる。人間も同じく年輪を重ねる。

あいつは決して後悔などしていない。
例えその時点での過去の判断が若気の到りそのものだとしてもあいつ自身の決断であり
決して後ろめたさなど微塵もない。
誰しもがそうであるように、怖いもの知らずでそのうえ独りよがりな面もあった。
即座に感情的になり表情にも隠さず出す。
喜怒哀楽そのものがあいつそのものを支配しそれこそが判断の基準でもあった。
一方の偏った面のみしか見ることができずそれこそが真実であると信じ込んでいた。
行動はまっしぐらに周り構わず突き進む。
過去は既に歴史ではあるがそれこそが若さと言う証明でもあった。
年を重ねるごとに冷静さを身に着け様々な方面から物事を見る事が出来るようになる。
それに伴い怖さそして不安、心配があいつ自身を頻繁に襲うようになる。
だがその現実は今現在であり決して過去ではない。
未来に向かいあいつ自身は変化するし又変化せねばならない。
決して立ち止まることはなしに懸命に前へと進む。
だが歩むために備わる装備は年輪、年代とともに厚みを増す。
その厚みこそが年を取ると言う証明であるし、今だ薄っぺらな肌着のままであるのであれば
それこそ必死の覚悟が必要だろう。

今更ながらに決してその時点での過去の判断には誤りなどあるはずない。
実のところ何が正解で何が誤りなど誰しもが知る由もない。
時代と言う変遷すら判断の基準は大いに係わる。
だが、あいつは信じている。これだけは決して疑わない。
いつの時代とて決して変らない事実を。
それは何事でも時間が解決してくれるということを。


町工場前で佇んでいるあいつは牡丹雪で黒髪から安全靴の先端まで真っ白に衣替えを
行っているかのようだ。

あいつはふと気が付く。あいつは遠くに何かの気配を感じる。
冬の地上付近で降りしきる雪を遮るがごとくに茫洋とした何かが現れたことに気付く。
遠くに今しがた現れたその何かはこちらへと近づいているようだ。
どうも人間であるのは間違いがない。
一歩一歩近づく何かは人間の姿であることには間違いがないようだ。
その姿はあいつの方へと近づく。
次第にあいつへと一歩一歩近づく。。。




今日は日曜日で誰も読んでいないだろうから次回へ続く。。。




それでは又です。


読破中。
「創造する経営者」P.F.ドラッカー著。


「アルジャーノンに花束を」ダニエル・キイス著


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 明日から又あいつを平日の喧騒が襲うブログあるはず。
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2008.2.24by 博多の森と山ちゃん



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