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2008年02月15日

2月15日 用事。。。



緊急修理案件も間もなく完了です。
そのものの持ち込みの飛び込み仕事は我が町工場も少なくはない。

しかし、昨今の凄まじき慌ただしさは一体全体どうしたことだろう。
ただただ皆様に感謝すると共に至上の有り難き幸せでございます。




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最たる美貌を誇るあいつ女性専務は思いがけなく見かける。
その見覚えがある後ろ姿に自然に視点が定まる。
間違いがない。あの歩き方。あの格好。昔のままで一向に変わらない。
その姿が進む方向へとあいつは体を向けつける。
歩むその姿の後ろから気付かれぬよう密かに追う。
そこは人通りの多い九州一の繁華街の地下街であり今現在のコンクリートジャングル内の
雑多な人ごみであれば先ずは見つけられることはないだろう。

スラリと伸びた魅惑の2本足をほんの少し隠した真っ赤なミニスカートに安全靴のあいつは
人々に隠されながら前方の男性の姿の後を追う。

あれから元気にしていたのだろうか。
あれから病気はしなかったのだろうか。
とても優しい彼は相変わらずそのままだろうか。
何故かしら前を歩む後ろ姿に愛おしさが感じられ胸が詰まる。
歩きながらも走馬灯のように過去が思い出されあのほんのりと温かだった昔の日々が
あいつを包む。
今の生活はどうだろうか。きちんと食事はとっているだろうか。
相変わらず仕事熱心だろうか。
今更心を割いても、いかしかたない内容に思いが浸る。

前方の姿の歩む速さは昔のままでやはり早い。
あいつはつぶらな瞳を大きく開け決して見過ごすことがないよう周りの風景は
決して眼に入らない。
ただただその後ろ姿を見つめ必死に追う。
だが決して見つからぬよう。決してその姿が後ろを振り返らぬよう。
あいつは昔のままであった変わらない早歩きの後ろ姿を懸命に追う。

実のところ何故あいつは追っているのか分からない。
何故あいつはその後ろ姿が立ち去らぬよう頑固に追いかけているのかは
自分自身理解できなかった。
だが考える間もなくあいつの体が自然と動く。
あいつは何ら意識せずにいつの間にか追っていた。
過去の思い出の彼を。昔懐かしい背中を。ただひたすら追いかける。

ふと消える。突然後ろ姿が消える。
今まで懸命に追いかけていた後姿があいつの視界から消え去る。
あいつは思わず走る。あたり構わず走る。
いましがたまでそこにいた姿を見つけるために。
たった今、そこにいたはずの後ろ姿に会う為に。

過去の彼の後ろ姿が消えたであろう場所まで瞬く間に到着する。
彼がいましがたまでいたその場所へあいつは2本足で立つ。
あいつは方々に体を向け探す。あいつは四方へ眼をやり見つけるのに必死だ。

いなかった。消えた。あの過去の思い出の姿は脆くも瞬く間に立ち消える。
あたりを見回し捜すが見当たらない。
2歩足で辺りを早急にうろつきまわるがその姿はどこにもない。

あいつは思わず微笑む。独り静かに微笑む。
何故今現在行っている行動に思わずほくそ笑む。
未計画の予期しなかった自分自身の行動に思わず顔がほころぶ。

実は話をしたかったのだろうか。
些細な会話でもしたかっただろうか。
あいつは今頃になって終えた行動の理由を探る。
あいつをひとしおの寂しさが襲う。
過去に少しの時間浸ってしまった自分自身をわびしくも思う。

だがあいつは健気にも表情ひとつ変えずに前を向き歩き出す。
何も事は起こらなったかのように。颯爽と前方へと歩み始める。
何ら過去を振り返る出来事など決して起きなかったかのように。

あいつが歩き出した途端だ。あいつが前方を見つめ歩き出したその時。
突然あいつは肩をたたかれる。あいつの肩をたたく者がいる。
あいつは思わず後ろを振り向く。あいつは肩を叩く人物の方向へ振り返る。

あいつは驚く。あいつは突然なる出来事に大きく口を開ける。
あいつが振りむいた向こうにいた。あいつが振り返るその後ろにその人物は立っていた。
あいつのすぐ後ろに昔の彼がいる。
つい先ほどまであいつが追いかけていた後ろ姿が前を向きあいつに向かっている。

後ろ姿は既に前を向きあいつに向かっている。
その姿の表情は満面微笑みであいつを見つめる。
その頬笑みには優しさが溢れているのがあいつは即座に分かった。
あいつは昔変わらぬ微笑みの昔の旦那の表情に目をやる。
あいつは彼の表情を驚きを隠さずひたすら見入る。
しばらく互いに口を開くことなく見つめるだけだった。
互いをしばらく静寂な空間が包んでいた。



そして昔の彼がとうとう口を開く。とうとう昔の旦那が尋ねる。



「何か用事?」と。。。




それでは又です。


読破中。
「創造する経営者」P.F.ドラッカー著。


「アルジャーノンに花束を」ダニエル・キイス著


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2008.2.15by 博多の森と山ちゃん



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