2月14日 今日は溶接の閃光がまばゆい。そして雪(2)。。。
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我が町工場のものづくりは果てしなく続く。。。
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それでは昨日前回の続きを。
先ずは前回の終りの部分の抜粋を。
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あいつは物陰に隠れるべく道をそれる。
あいつは道の本筋から離れ身を隠す。
そしてようやく振りかえる。あいつは体を隠したまま振り返る。
そして先ほどの見えない声の主に分からぬように目を向ける。
体を隠したまま覗く。
あいつは驚く。あいつは向こうに見える姿に思わず心臓が高鳴る。
あいつは銀世界の向こうに映えた姿に即座に体が震える。
それは決して寒さではなく昔の過去の事実が原因なのだが。。。
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それでは続きを。
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あいつが振りかえった目の視点の先には小さき男の子の姿が飛び込んで来た。
その男の子が家の玄関から外へ飛び出し大きな声を出したようだ。
白い綿が舞う空間の先には小さき男の子が玄関の先で辺りを見渡している。
何かを見つけようと必死に首を左右へと動かし視点をあらゆる方向へと向ける。
必死の形相で今にも泣き崩れそうな表情であちこちを探している。
その子供の後ろにある人物の姿が現れる。
玄関の明けられた扉から成人が出て来た。
その人物の右手には先ほどあいつが触った少女の手が握られている。
その人物は先ほどあいつが紙袋を手渡した可愛い小さな女の子の手を取って
玄関先に現れた。
その成人、大人も男の子同様あたりを見渡す。
必死に何かを探すため体ごとあらゆる方向へ向ける。
少女も一緒だ。健気に皆と仕草を合わせるがごとくに周りと見渡す。
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目が合ったのか。
突然あいつの頭脳へ閃光が走る。
あいつは降りしきる雪の粒の向こうに見える大人の男性と視点が合ったような気がする。
疑う余地なく瞬く間に男性はあいつが隠れているはずの方向へと腕を向け指をさす。
その男性はあいつの方向へ指さししながら男の子へ声をかける。
途端に男の子は走り出す。懸命に走り出す。
周り構わず男の子は必死の形相で走り出す。
もちろんあいつに向かって。雪の冷たい粒など構わずあいつへ向かい走る。
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あいつは驚く。あいつは次なる出来事に驚かざるを得ない。
向こうの男性の右手に握られていたはずの少女の手は放たれる。
全身が自由の身となった先ほどの健気な可愛い女の子までがこちらへと向かう。
少女までもが男の子の後ろから走り出す。
二人とも降りしきる雪に包まれながら大声で叫びながらあいつへ向かい走る。
あいつは心配だ。あいつは不安だ。
二人とも転ばないでね。二人とも決してつまづかないでね。
あいつの目の先の視界は次第に妨げられる。
あいつの心の奥深き底から次から次へとこみ上げあいつの瞳を濡らされるもののために。
あいつは目の前が見えなくなる。あいつは必死にぬぐう。
あいつはとめどもなくあふれ出る涙を右手の甲でぬぐうのだが間に合わない。
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あいつを呼ぶ声があいつ自身の身に染み入る。
私の我がままなのに。私がしでかしたことなのに。
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あいつはとうとう身を屈める。身を沈めるため膝を折る。
そして二人の子供が飛び込んで来るための態勢をあいつは自然に取る。
あいつは気が付く。あいつのぼやけた視点の先の光景があいつを刺激する。
少年の右手にはあいつが少女に手渡した小さな箱が握られている。
決して離さず両手を大きく振り少年は走っている。
あいつへ二人とも近づく。あいつの目の前まで走って来る。
とうとうあいつまで少年、少女は到達する。
あいつへと走り込む。あいつへと次々に飛び込む。
初めに少年。そして少女があいつへと飛び込む。
二人とも大声で叫んでいる。二人とも大声で呼んでいる。
「おかあさ~ん。」と。
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あいつは二人とも抱きかかえる。
少年、少女の柔らかな肌。二人の匂い。二人の吐息。
二人の心臓の音。二人のぬくもり。
全てをあいつは思う存分感じ取ろうと二人を温かく、優しくそして慈しみの心で
抱きかかえる。
少年、少女の表情は満面の笑みだ。
思わず二人の頬にあいつ自身の頬を寄せる。
あいつは頬と頬を密着させそのぬくもりに感じ入る。
頬ずりを思う存分繰り返す。
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あいつは向こういる男性の行動に気が付く。
昔の旦那の行動が目に入る。
大きく手を振っている。それもあいつが手渡したはずの小さな箱を手に持ったまま。
手を振っている。大きく両手で。懸命に手を振っている。
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あいつは微笑みながらも泣いている。
あいつは空から降りしきる雪の粒の冷たさなど微塵も感じない
あいつは予想だにしなかった人間の感情の温かな表情のぬくもりに存分に今現在浸っている。
それはおそらくあいつの温かさが伝わっている少年、少女も同様だろう。
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あいつは舞い落ちる真っ白な綿の雪もめげることなく空を見上げる。
銀世界の空間をもろともせず見上げ呟いた。
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「今日は甘くて切ないバレンタインデーだわ。」と。。。
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それでは又です。
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読破中。
「創造する経営者」P.F.ドラッカー著。
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「アルジャーノンに花束を」ダニエル・キイス著
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2008.2.14by 博多の森と山ちゃん
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