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2008年02月10日

2月10日 散策(1)。。。



最たる美貌を誇るあいつ女性専務はいつもながら頷く。
いくら目新しい商品を開発したとして社会情勢の変化、代替商品の出現
、そしてその商品自体のライフサイクルの原則が存在する限り常に外に目を
向けておかねば絵にかいた餅に過ぎない。





やはり新商品開発は時を要する。
長期計画に基づき常に外の情報を搔き集めながら開発ものづくりに取り組む。
いくらものづくりとて売れなければ何ら価値はなく藻屑となり得る。
発明家であるならただ物を開発すればよいが我が女性ばかりの町工場は
会社を存続させるために行う。
町工場皆の生活の糧を得るがために行うのであるから売れなければならない。
いくらものづくりとて売ることが大前提にあるのは書くまでもない。
会社を存続させるには安泰、安逸に浸るのではなく常なる革新そして改革が必要だ。
ならばライバル他社にはない売り方の開発を行うのは一つの方法だ。
新商品開発に革新的な売り方が重なればそれこそ鬼に金棒とも言える。

抜群のスタイルを誇るあいつはこれら文章が決して泡と消えぬようこれからも
休みなしの長時間労働を続けるだけだ。




さすが本日日曜日だ。一人閉じこもり設計のためパソコン画面にひたすら格闘している
つぶらな瞳のあいつの耳元には平日当り前の世間の騒がしさが伝わらない。
だが、静寂さに包まれたがゆえに当然捗(はかど)るはずの図面書きは意に反し
なかなか進展しない。
CADソフトを操る知識労働の進展に必要なものづくりに対する冴えが時間経過とともに
乏しくなってきたためであろうか。
あいつは首を回しそして大きく背伸びを行うとともに大きく息を吸いそして吐く。
しかし、気分転換に始めた行動はそれだけにはおさまらず早朝より温めていた
席を立つ。
おもむろにそばのハンガーに掛けられていたブルゾンを手に取ると一気に羽織る。
これによりいつもながらの外出のいでたちは完了したことになる。

事務所階段を元気良く掛け降りるとコンクリートジャングルに囲まれた
黒色のアスファルトの道へと出る。
真っ赤なミニスカートでわずかに隠したスラリと伸びた色白の2本足で闊歩する。
今の季節は真冬真っ最中でまだまだ寒い。吐く息は真っ白だ。
体を温める理由もあるのであろうか。通勤時と同様に早足で歩む。
仕事途中の気分を晴らすにはあいつにとって散歩することがてっとり早い。
もちろん構わず走りだし息絶え絶えになるまで一気に駆けるという方法も
あるのだが今回はゆったりと歩む方策を選択したようだ。

向う先は公園だ。会社の近くにあり市民の憩いの場だ。
そこは結構な広さがあり野球場、図書館、体育館、グラウンドが併設されている。
其のうえ、公園内には由緒正しい神社がありあいつの町工場も必ず新年度のお祓いに
会社内一同揃って必ず出向く。

公園内は緑豊かで束の間の小さな自然を楽しむこともできる。
抜群のスタイルをブルゾンでは隠しきれないあいつは緑色の公園内を散策する。
休日のせいもあるのだろう。結構賑わっており家族連れが多い。
あいつは懸命に小さな子供がそばの母親に向かい走る姿を微笑ましく思いながら
魅惑の2歩足で歩む。
あいつは空を見上げる。
冬の季節には珍しい真っ青な空を見上げ鳥の行方を追いながら颯爽と歩む。
梅の花の白色と枝の茶色が混じった木々を見ながら体を動かすことによる心地良さを味
わいながら前へ前へと進む。

あいつはふと気付く。あいつには突然目に入る。
当初は疑うばかりで信じることはできない。
あいつは歩きながらも目を凝らししばらく見入る。
眺める時間の経過とともに次第にその疑いが晴れ始める。
あいつは前からこちらに向かう姿を見つめながら前へと歩む。
その2本足の交互に踏み出す動作はこちらへと向かっている2人の姿が
近づくに連れ次第に緩慢となる
明らかにあいつの目に入っている2人の姿の影響であろう。
向こうの姿が近づくに連れあいつの歩く速度が落ちる。。。




次回へと続く。




それでは又です。


読破中。
「創造する経営者」P.F.ドラッカー著。


「姑獲鳥の夏」京極夏彦著。


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 続きは明日読んでねとあいつが語るブログあるはず。
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2008.2.10by 博多の森と山ちゃん



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