2月8日 清算。。。
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整然な綺麗な顔立のあいつ女性専務は女性ばかりのわが町工場の職人であろうと
平然と客先へと連れて行く。
技術的そして現場作業の内容であれば当然至極である行動だ。
何も立て板に水式に流暢な話など実際誰も望んではいない。
聞いてくれる相手の登場こそを望んでいるのは何も書くまでもないであろう。
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あいつの町工場の女性ばかりの職人とて工場内に閉じこもってばかりはいられない。
ものづくりに必要な現地の寸法測定、現地作業の方法調査などはあいつ女性専務は
出来得る限り女性職人にさせようとする。
実際ものづくりを行いそして現場で作業するのはあくまでも女性職人らの手による。
事前確認の重要性は最も認識しているのは誰しもであるし、現地へと積極的に
足を運ばせようとするのは当然至極の事実だ。
現場で活躍される方との会話の重要性、現場の設置されている機器を実際自分の目で
見て肌で感じることの重要性をことさら認識させようとする。
それは社内での情報など殆ど掃いて捨てるような内容に過ぎないからであり
ものづくりに今だ歴然と存在するいわゆる職人根性の悪の部分、思い込み、独りよがり、
頑固そして屁のつっぱりを何とか消し去ろうとしているが分かり得る。
常に前提はお客様のへの奉仕、役に立つことの前提をあいつ自分一人ではなく
女性ばかりの町工場職人までもがサービスという営業手段をいつの間にか
行使させている事実を導こうとしている。
決して指導とか言う、たいそれたものは一切存在せずあいつの行動のみそして
あいつの背中のみが教えているのは書くまでもないであろう。
詰まる所いくら技術が必要だと謳ったところで売る力がなければそれは幻に過ぎない。
だからこそいくら最たるノウハウ、技術力があろうと最たる営業力、売る力には
到底かなわないことは誰しもが頷く。
新商品開発とて役に立たねば絵にかいた餅であり、単なる独りよがりの
誰しもが見向きもしない廃棄物だ。
常に情報を集めるのはあいつのみでなく、零細町工場の女性職人とて同様だ。
外の情報により今後の行方を鑑み如何に作り、売るかで経営企画を立てる。
よく見かける社内に蓄積された会計情報による経営計画は実のところ未来の革新には
何ら役に立たずそれに基づき行動などすれば如何なる結果になるか背筋が寒くなる。
誰しもが社外へと出向きそして社外へと目が向くようになれば社内の話題の中心は
社外、現地の話題へと変化する。
実のところあいつ女性専務の狙いはそこにあるのであるが決して指導などしてはいない。
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それは真の指導者はお客様であるという事実は誰も否定できないのだから。
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抜群のスタイルを誇るあいつは既に玄関のドアをノックする者が誰であるかは
分かっていた。
あいつの自宅へ近づく足音、歩む歩調で既に誰であるかは分かっていた。
自分の腹を痛めた最愛の我が息子だ。即座に分かる。
たとえ長い期間その足音を聞くことから遠ざかっていても。
途轍もなく大きな慈しみを持ちそして壮大な愛おしさはいくら年齢を重ねようと
何ら変わらない。
何ら時に経過は関係なく忘れたことはない。
思い浮かべるだけで胸が詰まり、体が痺れ身動きとれなくなる。
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玄関をノックする音になおさらこみ上げ立ち上げることさえ億劫だ。
なおさら鮮明に頭の中をその姿が占領し絶え間なく愛おしさが沸き起こる。
あいつは何度も聞こえるノックの音のする方向へと何とか立ち上がり
ふらつきながらもそこへと向かう。
たどたどしい足取りではあるがゆっくりと玄関の扉へと向かう。
ドアのノック音以外の声もあいつの耳に届く。
その声は紛れもなくあいつの過去の歴史であり更なる体の震えと痺れを引き起こす。
ドア向こうであいつを呼ぶ声に対して決してあいつは何も答えない。
ひたすら無口にドアの方向へと向かう。
次第にドアの向こう越しの姿があいつを呼ぶ声は大きくなる。
あいつは決して口を開こうとはしない。
あいつはドアまで近づきドアのノブを握る。
しかしそのままだ。決してドアのノブは回さず鍵のロックを外そうともしない。
ただあいつはドアのノブを右手で握る。
さらにドア向こうのあいつを呼ぶ声は大きくなる。
だがあいつは一切口を開かない。決してあいつは声を出さない。
ドア向こうのあいつを呼ぶ声は何度も続く。
何度も何度もあいつを呼ぶ。その声に次第に震えを感じさせる。
何度も何度もあいつを呼ぶ。
それでもあいつは決して口を開こうとしない。
ドアひとつ向こうに自分の腹を痛めた子が居ると言うのに。
必死にあいつを呼ぶ自分の息子がドア一つ隔てた位置にいると言うのに。
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ドア向こうの姿へ決してあきらめない。
家の明かりは外へと漏れている。その姿はあいつの存在を分かっているに違いない。
相変わらずドア向こうからあいつの呼ぶ声が絶えまなく聞こえる。
それでもあいつは答えない。
それは絶えまなく流れる涙のせいか。
それはあいつの全身が涙で痺れ話す行為自体ができないせいなのか。
あいつは全身震えながらも決して口は開かない。
滴り落ちる涙はあいつのドアのノブを握ったままの右手へと向かいその手は
かなり濡れている。
それにも係わらずあいつの濡れきった右手はノブを握ったままだ。
決して鍵のロックは外そうともせずそしてドアのノブは回そうとはしない。
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ドア向こうの声には悲壮感が溢れる。必死に訴えかけている。
何度も何度もあいつを呼ぶ。その声は既に涙声に変化している。
懸命に必死にあいつを呼ぶ。何度も何度も。
それでもあいつは一切答えない。決してドアを開けようともしない。
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ドア向こうの息子があいつを呼ぶ声は一体いつまで続くのか。
ドア一つ隔てたあいつの最愛の過去の息子は一体いつまであいつを呼び続けるのか。
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いつしか声が止む。いつしか周りは静かになる。
ドア向こうの涙をすする音のみが周りに響く。
どれほどの時間、静寂に混じった涙を流す音は聞こえていただろう。
突然足音が聞こえる。あいつの耳に靴が地面を鳴らす音が聞こえる。
当初間近に聞こえたその足音は次第に小さくなる。
時間の経過とともに足音は遠ざかる。そしてあいつの耳にはとうとう聞こえなくなる。
とうとうあいつは静かなる空間にただひとり存在する身となる。
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あいつが崩れる。冷たい玄関の床の地面へとにあいつはとうとう崩れる。
汚れた玄関の床へと膝から全身が崩れる。
両手を玄関に入口に並べられた靴の上へ着き膝から下の両足はそのまま置かれる。
四つん這い姿から落ちていく涙が玄関の床全てを濡らし始める。
とめどもなく流れる涙は決して止めることはできない。
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ついにあいつは絞り出すように涙でかすれてしまった声で独り言を呟く。
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「既に過去の清算は終わっているわ。」と。。。
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それでは又です。
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読破中。
「創造する経営者」P.F.ドラッカー著。
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