2月7日 若き職人のこれからの腕。。。
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我が町工場で最も若き職人。
誰もが一刻も早い成長を期待している。
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スラリと伸びた色白の魅惑の2本足をほんの少し隠した赤色スカート姿のあいつ女性専務は
本日は我が女性職人ばかりの町工場を何度も行き来する。
その度に短納期の製作内容について意見、アイデアを求め革新的で至極納得し得る内容で
あれば即刻採用し図面化する。
決して過去製作経験がある製品に似通ったものであろうと、次なる工夫を常に加える。
逐次改革し次なるノウハウを手に入れる。
そこれこそが本来のものづくりでありそれこそが本来の我が零細町工場の役目に違いない。
起こり得る失敗という代償は果てしなく大きなものであるのはもちろん分かる。
しかし、それにへこたれるようであればそれこそ即座に電話帳から我が町工場の名前は
即刻抹殺される。
製作方法、組立方法ものづくり過程全てに常に革新、改革を行う。
それこそが当り前の動作であるがその根底には常に外に求める情報が存在するのは
決して忘れてはいない。
最も底なしに恐ろしきことは独りよがりのものづくりであり売ることを全く忘れた
思い込みのものづくりであるのは誰しもが自覚していることであろう。
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最たる美貌に艶やかさにしおらしさを備えたあいつ女性専務は夜遅くの帰宅後
独り静かに読書に勤しむ。
長きに渡るただひとりの静寂の暮らしには既に慣れ、一人自宅内を占領する
心地を楽しんでいる。
過去とは既に懐かしき思いであり、決して思い出すことはしない。
常に未来のみを向き決して後ろを振り返らず反省などしない。
ひたすら前へと歩み尻込みなどするものか。
わずかな人生の生きている期間になぜ仕事のみに打ち込むことが悪い。
四六時中仕事のみで頭を支配し体中を動かす。
今だに過去の出来事がいつしか走馬灯のように浮かび上がるがそれに対して
後悔など一切していない。
苦労を楽しむ事が至極の極楽でありそれは自分自身が理解しているのであれば
この世程素晴らしき世界はないはずだ。
泣き事言うくらいなら歯を食いしばり耐え、愚痴を飛ばす位なら次なる行動を起こす。
短い人生だ。もっともっと苦しまねば。もっともっと苦労せねば。
決して他人には求めずひたすら努力する。
つぶらな瞳のあいつは今日も静かな自宅という空間で物思いにふける。
この時間さえあいつはもったいなく感じ次なることへと考えを向ける。
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あいつにふと聞こえる。あいつは聞き耳を立てる。
あいつは即座に自分の耳を疑う。決してそんな事はない。
最たる美貌のあいつはうっすらと微笑みを浮かべる。
ひとつ大きな呼吸をすると再び手に持った文庫本の活字へと目をやる。
連なる文章を目で追い始める。
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又しても聞こえる。やはり聞こえる。
再び聞き耳を立てしばしその状態を続ける。
疑いは次第に晴れそしてその音への確信を持つ。
確信が確実なものへと変化するにつれ怖さがあいつを襲う。
しかし、全ては納得できない。決して起こりえない事実を当然ながら疑う。
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聞こえる。やはり聞こえる。
その音は次第に大きくなり近づいているようだ。
あいつの耳へと到達する音量は次第に大きくなる。
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あの歩調。あの歩くリズム。あの足音。
やはり聞こえる。やはり間違いがない。
次第に近づき大きくなる足音。
長きに渡る歳月が経過しようとあいつには分かる。
遠き過去に聞きなれた足音をあいつは忘れるはずがない。
歳月の流れはあいつには既に遠き過去の一つの出来事ですぎず単なる時の
経過でしかないはずだが。
しかし、あいつはあの足音を忘れるはずもない。
あいつの腹を痛めた最愛なる我が子だ。その慈しむ心は常に忘れなどしない。
あいつはこみ上げるものは決して抑えることなどできない。
次から次にあふれ出し目の前がその水滴によりうるむ。
ぼんやりとした光景に自分自身の体の震えと痺れに戸惑う。
拭っても拭っても溢れ出す。
あいつには過去などないはずだった。あいつは未来のみで生きているのであり
決して過去を振り返る事などしなかったはずだ。
その足音はあいつの過去の封印を解く。
その足音はあいつの過去を再び目の前へとさらけ出す。
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外から聞こえる足音が止まる。家のチャイムが鳴る。
家の外の光景が分かるテレビ電話の画面をあいつは見る。
既に涙ではっきりとは見えない。涙を必死にぬぐう。
あいつの既に機能していないはずの瞳で画面を眺める。
あいつはもう涙が止まらない。
涙でぬれた右手で受話器を取る。相手の声が聞こえる。
懐かしき過去の我が息子の声が聞こえる。
あいつは答えようと必死に頑張るが声が出ない。
行為虚しく溢れ出す涙が邪魔をし声が出ない。
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あいつは絞り出すよう何とかかすれ声で受話器へ答える。
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「お 帰 り な さ い。。。」と。
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それでは又です。
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読破中。
「創造する経営者」P.F.ドラッカー著。
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「姑獲鳥の夏」京極夏彦著。
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2008.2.7by 博多の森と山ちゃん
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