2月4日 足音。。。
br>
br>
最たる美貌を誇るあいつ女性専務とてたいへん有り難いことには違いない。
お陰様で案件が次々と決定する。
スラリと伸びた色白の魅惑の2本の美脚をほんのわずか隠した赤色のミニスカート姿で
ものづくり情報を常に仕入れるためにあいつはいつも慌ただしい。
その内容の中でも重要視するのが納期ではあるのだが、既にあきらめていた物件までが
決定となると頭の片隅にすらなかった内容だけに常に工程の見直しが必要となる。
br>
br>
br>
br>
br>
br>
つぶらな可愛らしい瞳のあいつは思い悩む。
長期視点に立てば当然ながら自社製品の開発を最も重要視するべきであるが
目の前に飛び込んで来る有り難い注文に対してもきめ細かに丁寧に対応するのは
当り前なのは頷ける。
会社とはお客様から頂ける利益のみで成り立っているのは当然至極であり
ただ、その利益を稼ぐため如何なる方法を取るかが重要な鍵であるはずだ。
常に新規の案件を目指しそして継続した注文を頂く。
そのために必要な視点は常に外になるのであり決して社内には何もない。
お客様、競合他社、仕入先そして我が女性ばかりの零細町工場の関係を
如何に上手に施すかが重要でありながら周りの社会情勢にも常にアンテナをたてて
置かねばならぬ。
その思考は熟慮せねばならず何度も繰り返し出来る限り頭脳を動かすにはやはり
凡才のスタイル抜群のあいつにとって決して会計中心ではない営業中心の
経営計画書作成は一つの最たる手段なのはどうも間違いがないようだ。
br>
br>
br>
br>
紺色の作業着上着で出るところをなんとか抑え込んだ抜群のスタイルのあいつは
凡才であるが故に休みなしの長時間労働のみが取り柄だ。
それこそが電話帳からあいつの零細町工場の名前が消えぬ為の最も適した手段で
あるのはあいつ自分自身で納得しているが故に何ら疑問は持たない。
br>
今日も事務所に一人残り遅くまで知識労働に勤しむ。
さすがに常に美しき微笑みを保つあいつとて疲れないことはない。
艶やかでしおらししさの雰囲気が漂うあいつは仕事に区切りをつけると
帰り支度を始める。
パソコンの電源を切る動作から事務所シャッターを下し鍵をかけるまで一連の
動作が終了するとようやく会社事務所を後にできる。
既に外は日が暮れ真っ暗なはずであるが月明かりとコンクリートジャングルを
通るアスファルト道の街灯によりおぼろげな乾いた薄明りが帰り道を照らしてくれる。
魅惑の色白の2本足で日頃と一切変わらぬ徒歩での帰宅を急ぐ。
赤色のミニスカートそして紺色の作業着上着の上には防寒ブルゾンを着込んでいる
あいつに容赦なく前方より冬の冷風が吹きぶさむ。
決してあいつは立ち止まることなくその冷たさに懸命に向かい足を進める。
br>
ふと聞こえる。冬空の下で冷たい風に混じりあいつの耳に聞こえる。
それは足音だ。あいつの歩調に合わせるようにあいつの耳に響く。
その足音はあいつの後ろから絶え間なく聞こえる。
その音色は突然始まった感がする。
あいつはしばらく構わず一切後ろを振り返ることなく前へ前へと歩む。
あいつはただ前から吹きつける風に向かい歩き続ける。
しかし、後ろから発せられる足音は変わらずあいつの耳に到達する。
あいつの歩くリズムに合わせてその音色は一切途切れることがない。
br>
あいつに次第に恐怖心が沸き起こる。
突然始まった後ろから襲う足音の歩調の音色に怖さを感じる。
次第にその恐ろしさの度合いは増しそれにつれてあいつの歩く速度も早まる。
次第にアスファルトの歩道を刻む歩調は慌ただしさを増す。
あいつはいつしか早歩きとなりそして走り出す。
最初はゆっくりと走るのだが後ろの歩調もそれに合わせ速くなる。
一向におさまることのない後ろから響く足音にあいつはいつしか走り出す。
その速度は瞬く間に早くなりあいつは必死な形相に変化する。
あいつは魅惑の2本足を懸命に交互に踏み出し両手も前後に大きく振り
呼吸も荒くなる。
呼吸する回数は増え呼吸する音は大きくなる。
白い息は絶えまなく吐き出される。
付き纏う足音を振り払うために懸命に走るのであるが決してその足音が消え去る
様子はない。
あいつが必死に走っても決して後ろの足音はなくならない。
br>
br>
突如あいつの耳に足音以外の声が届く。
後ろの音に靴が地面を鳴らす以外の音があいつの耳に入る。
それは声だ。それはあいつを呼ぶ声だ。
その声があいつの耳に届いたとたんあいつは走る速度を緩める。
再びあいつの耳に呼ぶ声が伝わると立ち止まる。
伝わる声のためあいつは真っ白な息を何度も吐きながら走る歩くそして歩く
動作を一切やめる。
あいつはアスファルトの歩道の街灯のもととうとう立ち止まる。
そして何と後ろを振り向く。何と恐怖心の原因である足音の方向へ体を向ける。
その足音の主は次第にあいつへと近づく。
当初はおぼろげであったその姿は次第にはっきりとあいつのつぶらな瞳に映る。
その姿が誰であるかがあいつ自身はっきりと自覚する。
姿はあいつの目の前で立ち止まる。
br>
あいつは自分の目を疑い何度も瞬きを繰り返す。
繰り返すうちの瞼の中を涙が浮かぶ。目の前の姿が次第にぼんやりと映る。
涙に隠れたままその姿はじっとそこに立ち尽くす。
次から次へとあいつを襲う涙の流れをあいつは必死に手で拭う。
構わず落ちていく涙のせいであいつは目の前がはっきりとは見えない。
濡れた手で構わずあいつはいつしか目の前の姿の頬に両手を優しくあてる。
あいつは相手の頬に当てた手にぬくもりを感じる。
さらに手にはその姿の涙の水滴の温かみが重なる。
br>
あいつは度重なる涙の束で一向に相手がはっきりと映し出せない。
だが一切構わずあいつの手は相手の頬にあてたままだ。
その手は一向に相手の頬から外れる気配はない。
br>
br>
br>
相手が口を開く。それはあいつの手に口の動作そのものを感じながらあいつの耳に伝わる。
声は涙声であったのは間違いがない。
br>
br>
br>
「探したんだよ。本当のお母さん。」と。。。
br>
br>
br>
br>
それでは又です。
br>
br>
読破中。
「創造する経営者」P.F.ドラッカー著。
br>
br>
「姑獲鳥の夏」京極夏彦著。
br>
br>
旧ブログ「もう悩みません。コンベア・産業機械」
br>
ホームページ「研森.COM」
ベルトコンベア式汚泥乾燥機
br>
br>
コンベア、産業機械機器について詳しく書いている
メルマガ「もう悩みません。コンベア・産業機械」発行しています。
ご興味のある方はご登録の上ご覧下さい。
メルマガ「もう悩みません。コンベア・産業機械」
br>
さあっ。明日は現場工事だブログあるはず。
人気blogランキング
br>
2008.2.4by 博多の森と山ちゃん
br>
br>
br>
br>