１月１０日 我が町工場の３台の汎用旋盤はフル稼働。。。
我が町工場に旋盤の切削音が鳴り響く。
ベテランも若き職人もひたすらバイトの先端を目で追う。
黒いしなやかな髪をなびかせあいつ女性専務は今日も客先へと向かう。
本日の装いも色白のカモシカのような素足をほんの少し隠した魅力的な赤色の
スカートに紺色の作業着の上着だ。
ネクタイはきちんと首に回しその上にブルゾンを羽織る。
其のいでたちでなければこの時期は寒い。
いくらこの地九州は福岡、博多も暖冬とは言え２輪車を漕ぐ身にとっては
前方からの寒風はさすがに応える。
訪問先である博多駅周辺は常時交通渋滞であり、車で向かうと有料駐車場へ
止めねばならない。
輝かしい美貌のあいつは我が町工場の地の利を生かし、駅周辺はほとんど
２輪車で向かう。
その抜群のスタイルと麗しき美貌。そしてペダルを踏むその動作の艶やかさに
誰もが振り向く。
あいつにとっては単なる時間とお金の節約の上に体力そして健康の維持に
過ぎないのであるが決して世間のあのイニシャルエイチの目が許さないようだ。
お蔭さまで今日の商談は色よい内容で帰社する２輪車にまたがったその姿は
なおさら輝かしくまるでこの世の人物とは思えぬほど美しく見とれてしまう程だ。
それに本日は１月１０日だ。
毎年恒例の十日恵比寿神社へお参りを決行する。
神社にお参りに行く時間さえ実のところもったいないとさえあいつは思ってはいる。
神社のお札が一体会社の業績とどれほど結び付くかははなはだ疑問符が付く。
お札の枚数が多ければ多いほど儲かるのであれば何度ももちろん通う。
いかに戦略を研究しそれに伴った行動をとったかがその結果として表れるに過ぎない
はずだ。
毎日その日の出来事をただこなすだけなら誰にでもできる。
常に未来、次なるものを目指し計画、戦略を立てそれに向かって戦術を起こすだけだ。
だが、神様へのお参りは一つの気休めにはなる。
それだけでも十二分にその効力はあるとは言えないことはない。
帰社後は露店で購入した梅ケ枝餅を頬張りながら図面描きだ。
つぶらな瞳に愛らしい口元のあいつは次々に終わらせているつもりなのだが
現実は一向に進んでいない。
知識労働は工場での量産品生産労働とは異なり時間の把握が出来にくい。
次なるアイデアを常に要求されるのであるが即座に次々と湧き出てくるのであれば
出るところは出ている姿を隠しきれない作業着姿のあいつは何も苦労はしない。
次なるものづくりのアイデアを醸し出すためつい頭を掻き毟る（かきむしる）。
そんな仕草は到底気品あるあいつには似合うわけもない。
だが自然と出る行動であり無意識のうちについついやってしまう。
あいつは天を仰ぎとうとう可愛らしい高音で呟いた。
「アイデアが中々浮かばない。そうだ明日にでも神社へお参りだ。」と。。。
それでは又です。
読破中。
「創造する経営者」Ｐ．Ｆ．ドラッカー著
一向に読む時間が取れない。
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神様は実在するのかブログあるはず。
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2008.1.10by 博多の森と山ちゃん
