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2008年01月20日

1月20日 息子。。。



最たる美貌を誇るあいつ女性専務は本日独り静かに図面描きに勤しむ。
可憐で艶やかに施した化粧でその美しさはひときわ輝く。
ほのかに漂う香水の香りのもと図面内容は中々進展しない。
ようやく完成に近づいた途端根底を覆す誤りに気が付く。
それは天の知らせであり訂正せずに事を進めればそれこそ大きな失敗にという
2文字を背負わねばならなかったのだ。
抜群のスタイルをなんとか納めた紺色の作業着のもとあいつはまた一から出直しだ。
しかし、もう既に外は暗闇が襲っているではないか。





誰も貴重な時間を費やして読まれるわけもないが、折角昨日書き始めた為
その続きを記すとです。


少々昨日の終りの部分を。。。


いつもの声だ。間違いがない。決して俺が間違うはずもない。
思わずあいつは後ろを振り返る。その動作ははっきりと自覚しそして意識した行動だ。
あいつは音源をたどるべく即座に後ろを振り返る。
その声が聞こえてくる方向へ体を向ける。
やはりそうだ。間違いがない。決して俺が間違うはずがない。。。


それでは続きを。。。




どんよりとした冬空のもと遠くにいる二人の人物が目に入る。
一人は大人でもう一人は背が小さくまだ幼い子供のようだ。
大人はそこに佇んだままであるが小さな子供がこちらに向かって走っているようだ。
小さな頼りない足を右左何度も踏み出し幼い体の両手も交互に大きく振っている。
まだ小さい子供だ。走っているのではあるがもちろん速度は遅い。
だがその小さな人物は一所懸命走っている。決して後ろなど振り向かず。
こちらに向かって必死に走っている。
その姿があいつへ次第に近づく。決して速度は早くはないが足を踏み出しそして手を振る。
脇目も振らずあいつだけを見つめ走りこんで来る。
あいつの目に映る姿は次第に大きくなる。その姿が次第に大きくなる。
曖昧な姿があいつの視覚にはっきりと訴える。
満面の微笑みの表情ながらその息使いは荒い。
そんなに走ってこけないか。頼りないその走る姿は倒れ怪我などしないか。
そんなに走らなくても。そんなに必死に走らなくても。
あいつの心配よそに幼い子供ただひたすらこちらを見つめ走っている。
ただあいつをめがけて走っているのだ。

あいつは振り返った時点ですでに誰であるかは分かっていた。
大声であいつを呼びながら幼き頼りない体を存分に使い走りこんで来るその姿の正体を。
あいつは何故か動けなかった。小さな体が必死に近づこうとしているのに。
あいつは動くことができなかった。幼き頼りなき子供が大声であいつを呼びながら
走っているのに。

あいつはその姿が誰であるか分かった時点でこみあげてくるのもがあった。
そのこみあげて来るものは止めることができず行方に任せるしかなかった。
決して止めることができずこみ上げてくる。次第に大きく。
幼き体があいつに近づきて来るうちに次第に大きくなりおさまるとどころではない。
子供は大声で叫んでいるのだ。大声であいつを呼んでいるのだ。
あいつは止めることができなかった。必死に走りこんでくるその姿も。
そしてあいつ自身の体の内部奥深くからこみあげてくるのものを。

幼き子の表情は満面の笑みだ。これ以上はないと思われるほどにこやかだ。
その姿は既にはっきりとあいつの視覚に入っているはずだ。
幼き子供の大声で呼びながら走り込んで来るその姿はもう間もなくあいつへ到着する。
その姿は大きくなりあいつへ一目散に近づいている。
呼吸は荒く全身の筋力を存分に駆使しながら。もう間近だ。

あいつは腰を落とし両手を広げる。
屈みその頼りなき幼き子供を迎えるべく大きく手を広げる。
既にあいつは目の前が見えない。目の前が涙で遮られ一切の視覚を塞いでいる。
とめどもなく流れ頬を伝わる。拭うこともせず大きく手を広げ待ち構える。

幼き子供は残った体力であいつへ飛び付く。勢いよくあいつへ飛び込んだ。
「おかあさ~ん。」


あいつは抱き抱えそしてしっかり両手で子供を包む。
しっかりとそして優しく幼き子供を抱く。
抱きかかえたその子供の荒荒しい呼吸が肌を伝わる。
そんなにしてまで走らなくても。そんなに一所懸命走らなくても。

あいつには涙で見えなくても我が息子をしっかりと両手で覆う。
我が息子は満面笑みの表情のはずだ。
頬を伝わる涙の流れはおさまるどころか勢いを増す。
濡れた頬のまま息子の頬を近寄せ、くっつくける。
柔らかい感触にひとしおいじらしさを感じる。

幼き子供が可愛らしい声で言う。
「おかあさん。つめたくていたいよ~。」

あいつはその言葉が耳に入ると寄せた柔らかい頬を外しながら答える。
「ごめんね。」

ふとあいつはそばに立っている人物に気が付く。
あいつはその人物へ顔を向ける。
その人物はあいつに向かってすまなそうに言葉をかける。
「昨日はごめんな。」と。
あいつは思わず言葉が出る。
「何言ってんのよ。」
あいつは微笑みながらもおさまっていははずだが又してもこみ上げて来る。




それでは又です。


読破中。
「創造する経営者」P.F.ドラッカー著。


「姑獲鳥の夏」京極夏彦著。


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2008.1.20by 博多の森と山ちゃん



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