12月3日 溶接の光。。。
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過去の経験を出来うる限り思い浮かべ構想を練る。
自社製品でなくてもかつて自分の目で眺めた内容を思い浮かべる。
あいつ自分自身の目では今だ検分しなくても耳学で教わった内容を思い返す。
パソコンに保存されている図面の数々を目の前に映し出す。
それでも物足りず専門書まで取り出しじっくりと書かれた文字と絵を嘗め尽くす。
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何も失敗の前提でものづくりを行うはずもない。
出来うる限りの最新の注意を払い起こりうるトラブルを避ける方法を常に導き出す。
あいつにとり想定出来るありとあらゆる不具合を目の前へとさらけ出す。
自分自身納得し終えた上でようやく図面化を開始する。
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今回も一品料理の受注生産品だ。
詳細な内容は全てあいつ自身で構想を練り図面化し製作へと掛かる。
もちろん手始めは価格、見積りを提出だ。
しかし、出来る限り構想を確かなものにしておかないことには将来、見積り金額と
実際の金額の差異に目も当てられない結果となる場合もある得る。
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過去似通った製品を納品した経験はある。
だが、配置、寸法、構造が異なる。
あいつはCADソフトを駆使し明確なる実物を画面上へと図面を通して映し出す。
先ずは見積りだ。詳細図面は必要ない。
そればかりか見積提出時の図面提供は下手すれば他社へ回る、あるいは金額の
叩き台ともなり得る。
特に、一品料理は既製品と異なり考え自体が他で見れないため構想の基本にも
なり得る。
実のところアイデアの提供も求められた製品の図面は提出などしたくはない。
しかし、実際図面がないことには説明のしようがない。
口頭だけでは相手が全て理解しえるかと言うと疑問符がつく。
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その時点でどう行動するかはあいつの判断の結果でしかない。
それに実際注文になるかはあいつに分かるはずもない。
しかし、それまでの経緯、相手の人物、そして相手の会社をしらみつぶしに出来うる限り
判断材料とし決意を固める。
常にライバル、競合他社そして客先を常ににらみながら商売を行う。
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ものづくり商売だけではないだろう。
「今後何台も出るから今回は安くしといて。」との殺し文句で実際は1台のみの出荷。
あるいは実際出荷した後全く同じような製品がその横で稼動している。
実際は日常茶飯事の事実だろう。
特許侵害でなければいくら真似しようと法律違反ではない。
いや、特許侵害としても黙っていれば誰にも分からない。
いまさら人の道義を信じる事などできることではないだろう。
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周りがどうであろうと只感じるだけでその事実が目の前で起こっているだけだ。
それに対して不平不満を持たず愚痴をこぼすなど持っての他だ。
それにより苦しむことになれば苦しめばよいし不快であれば不快になるだけだ。
常に時が流れそして時が解決する。期待などするべきものではない。
その時点での結果がこの先どうなるかなど実のところ誰にも分からない。
あいつは只働きそして勉学に励むだけだ。願望と情熱を持ち続け。
その結果が目の前に事実に過ぎない。
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この先の結果が見えない見積時の図面作成ほど時間が勿体無いことはない。
注文が確定しているのであれば当然十二分に力を注ぎ込む。
商売は時間が金だ。一刻も早く終わらせねば。
あいつはこれからもパソコン画面とのにらめっこは続く。
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現場工事はいつも時間との勝負だ。
予定通り終わらせない事には客先の実際の業務に係わることさえある。
図面通り製作したとしても実際の取付時には手直しが必要な場合も多々ある。
それは寸法測定が常時現場稼動中でろくに出来ない。
解体しないことには実際の内容が把握できない。
様々な要因があるのであり、しかしそれを決して言い訳には出来ない。
その時点で即時に判断をしそして行動を決める。
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今回もそうだ。
女性専務が俺に言う。
「これは長過ぎる。この寸法で切ってくれ。」
俺なりに理解しそのやり方について考えを披露する。
「お前の言う通りでやってくれ。」
その言葉を聞くと即座に取り掛かる。
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しかし、いつも働いている九州は福岡、博多の我が町工場とは勝手が異なる。
製作、手直しに必要な部品、器具が揃っているとは限らない。
それに定盤の上で作業するわけでもない。
粉塵漂う照明も暗い環境での現場工事は日常茶飯事だ。
必要なものがなければ自分なりに考え常にアイデアを出し体を酷使する。
俺は女性職人だが太る暇などない。常に頭を使いそして体を使う。
我が町工場女性職人皆やっている事で当たり前の事実だ。
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今回は高所作業もあった。女職人二人で高所作業車に乗り込み溶接作業を行う。
怖いなど言っている暇などない。仕事が終わらねば帰れない。
当然早朝こしらえた化粧は台無しだ。
パーマを掛けたうっすら茶髪の髪形もヘルメットのお陰でぐちゃぐちゃだ。
仕事が終わる頃には全身真っ黒だ。しかしこの汚れこそが女性職人の勲章だ。
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そういえば今日は日曜日だ。
旦那は仕事は休みか。我が息子は確か部活だったな。
仕事をしながらも我が家庭の様子が思い浮かぶ。
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俺は溶接面の黒ガラスを通して輝く溶接の閃光を見ながら思わず呟いた。
「俺が放つ溶接の光には母親の力強さが込められているんだ。」と。。。
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それでは又です。
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読破中。
「ガニメデの優しい巨人」ジェイムス・P・ホーガン著
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明日は現場工事。是非とも今回で決着つけねばブログあるはず。
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2007.12.3by 博多の森と山ちゃん
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