11月25日 玉子焼き。。。
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あいつは又しても遠方へ出張だ。
早朝より新幹線に乗り込み目的地へと向かう。
長時間新幹線の車中のため連絡が付きにくくなる。
そのため事前の備えを本日中には全て終えたと本人は今現在思い込んでいる。
国民の休日である本日日曜日。あいつは普段以上に慌しかったのは致し方ない。
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日頃会社内に閉じこもり社員に対して小言を言い、叱責するのが自分自身の
最重要な仕事だと決め込む。
決して社外に出、客先との面談を行い情報を集めるなど自分の仕事ではないと嘯く。
会社内では最も偉い権力者であり常に威張れる。
この姿こそが会社の長でありこれこそが会社を引っ張っている本来の姿だと
錯覚に陥り惨めな姿である自分に気がつかない。
優秀な社員の入社をひたすら望み、例えスーパー社員が会社に入ったとしても
自社の重要なお客を根ごそぎ持って行かれ独立される憂き目に遭う。
その立場に立つとその人物をひたすら恨み自分自身の力のなさを自覚できない。
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会社の長こそが最も働きそして最も学ぶべきだ。
惜しまず社外へ出ては情報を集め経営戦略に役立てる。
戦略、戦術を常に考えそして実行する。
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「お前の力はこの程度か。」
何度も先輩職人の叱責に会う。
あいつはひたすら無口になりアルゴン溶接に望む。
被り溶接面を頭から覆い溶接ガラス越しに右手には溶接トーチ、左手には細い溶接棒を
手に取り材質ステンレスを熱歪を考えながらゆっくりと棒を溶かす。
この薄板は厄介だ。下手すると即座に穴が開く。
もう既に何回もやってしまった。先輩職人が腹を立てるのも当たり前だ。
しかし、他の溶接、CO2、アーク溶接とは感触が全く異なりそれにアルゴン溶接を
始めてまだ日は浅い。
同じ性別のせいだろうか。先輩は容赦なくあいつを責め立てる。
「お前のやり方がいかん。いいや。あまりひとところに集中するな。
溶かし過ぎだ。」
先輩の言わんとするところはよく分かる。
しかし、指摘された通りにはあいつの腕はなかなか動かない。
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何度も失敗するうちに次第にこみ上げてくる。
うまく行かないことに対して悔しさと共に悲しさがあいつの身を襲う。
誰も助けてくれるはずもなく只一人アルゴン溶接を続ける。
思わず手が震え前が見えなくなる。
こみ上げた涙が視界を奪い体全身の動きを遮る。
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途端に大きな声が耳元に聞こえる。先輩の甲高い声だ。
「あんた。泣いても一緒。周りは女ばかり。男と違って誰も優しくはしてくれない。」
「わかってるね。」
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しばらくあいつは感情の破裂がおさまるまでその場で佇む。
鼻をすすり目元を手にはめられた皮手袋のままぬぐう。
皮手袋の汚れがそのまま顔色を真っ黒にする。
折角早起きして綺麗に化粧した表情は台無しだ。
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泣き終わると大きく深呼吸をする。
そしてあいつは一人呟いた。
「もうしばらくすれば昼休みだ。旦那が作った愛夫弁当は結構いけるもんな。
特に玉子焼きが。さあ。頑張るぞ~。」と。。。
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それでは又です。
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2007.11.25by 博多の森と山ちゃん
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