11月17日 架空。。。
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日常のアスファルトジャングルに囲まれた生活こそが本来の揺らぎを思いのままに
噛み締めることが出来ると既に洗脳されている。
一旦郊外へ出ると目の前にある自然豊かな風景にどこかしら居心地の悪さを感じてしまう。
あいつに生前より備わった生きる力は自然から遠く隔離されたコンクリートむき出しの
人工的で無機質な全く情のかけらもない建物に次第に弱められているのだがそれに
気づくはずもない。
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最も人間らしい子供の姿のかけらもない大人と言う代名詞のあいつは秋空特有の
空から降りて来る錯覚すら引き起こす青い色の電磁波に立ち向かいまばゆい太陽を
必死の形相でにらむ。
決して手をかざすことはせずにあいつの瞳は燦燦たる陽の光を見つめるだけだ。
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何事に対しても立ち向かい決してひるむことなく突き進む。
それこそが生来与えられた使命とばかりに歩む。
決して走ることはなく一歩一歩着実に前に進む。
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いくらあいつが太陽の電磁波へと立ち向かおうと自分には後姿が存在する。
実は太陽光は誰とは問わずあらゆる人物の後ろに陰を作る。
もちろんあいつの立ち姿の後ろにはもう一人のあいつが決して離れることなくついている。
その姿はあいつであるがあいつではない。
もうひとりの自分でありながら自分ではない。
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前へ進むことはつらくきつい。心配であり不安が募る。
いっそのこと逃げ去りたい。後ろを振り返り一気に走り去りたい。
しかし、あいつが振り返る後ろにはあいつの影がある。
決して消え去ることなく、又決して逃げ去ることもしない。
陰はその人物の一部であり決して切り離すことが出来ない。
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陰をいつも背負っているのだがその重みを体は決して感じない。
そこに陰があると意識する事により突如として表れる。
陰は突き進む光の大きさにより自由に姿を変える。
太陽の自由奔放に常に振り回され陰も追随し常に姿を変える。
前に存在するあいつの姿によりもその形は変わる。
しかし常に色は黒だ。決して他の色へは変化しない。
だが気ままな面もある。おぼろげであったり、あるいは明確に自己主張をしたり。
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あいつは思う。
本来の人間の姿とは陰であり今現在自分の眼で見つめつことが出来る
自分自身の姿こそがはかなく陽炎ではないかと。
可視可能な姿は架空あり影こそがその人物でありその姿なのだ。
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泣き叫べば陰も泣き叫ぶ。
怒り心頭の姿を現せば当然本来の姿である影も同じ動作を行う。
踊れば踊る。走れば走る。わめけばわめく。
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あいつは陰へ問う。
「お前に感情はあるのか。」
陰は答える。
「感情を表面に出せばこの世では生きていけない。」
あいつは静かに頷きながら微笑んだ。
「でもな。人前でも感情露にする人物は多いぞ。」
陰は答える。
「その場面では陰の存在は全くない。」
「どういうことか。」
「自分を見失っている。」
「人間は感情があるからこそ人間ではないのか。もしなければロボット、機械に
過ぎないではないか。」
「表面に出すかどうかだ。」
さらにあいつは尋ねる。
「では感情むき出しの相手にはどう対応すればよいのか。」
「眺める。ただ淡々と感じる。それだけだ。」
あいつは後ろの陰に向かいさらに問い掛ける。
「俺にはなかなか出来ない。感情はその場の雰囲気まで左右する。
物理での電磁の場とは大いに異なる感情の場だ。
相手の感情が動作、仕草で伝わりこちらまで多大なる影響を与える。」
「ただ感じればよい。相手が怒っているな。相手が泣いているな。相手が笑っているな。
ただそれだけだ。淡々と感じるだけだ。」
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あいつは前を向き呟く。
「分からない。」
陰は囁く。
「人間の本来の姿は陰だ。陰は黒一色だ。他の色はない。ただひとつの色だ。
分からなければそれで良い。分からないからこそ陰は陰でいられる。
架空の姿がこの世で生きている。だからこそ成り立っている。
本来の陰が決して表に出ることはない。
もし陰がその人物の前に出ることがあれば。。。」
「あればなんだ。」
「本来の人間の姿へ戻る。つまり。。。」
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あいつは影の言葉を遮り叫んだ。
「もう言うな。お前の言いたいことが今分かった。。。」
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それでは又です。
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読破中。
「女王の百年密室」森博嗣著。
SFサスペンスです。
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陰は後ろにいますがたまに前にも現れる気まぐれな奴ですが淡々と生きていますブログあるはず。
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2007.11.17by 博多の森と山ちゃん
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