11月30日 不具合。。。
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身近な小さな企業でも必死に新商品を開発の上、製作そして据付。試運転そして本稼動。
その機械、機器は画期的な製品であり実績を上げる。
だが、納品後現地では不具合が頻繁に起こりその対応に追われる。
そうなれば次の製作どころではない。
納品先が近郊の企業であれば良いのであるが得てして遠方の場合が多い。
動く機器は良好に動かないことには客先の生産ラインそのものに多大なる影響を与える。
トラブル対応は迅速かつ的確に対処せねばならず一刻を争う重大事なのだ。
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あいつは身近に不具合対応でこの世から消え去った会社を見知っている。
不具合、トラブル対応は一銭の価値も生まない。ひたすら出費を重ねる。
新製品としても決して高い金額での提供は見込めない。
出精値引きと言う過酷な指令を受けざるを得ない。
数多く売れるのであれば開発費あるいは出始めの製品の不具合対応費は回収できる。
不具合対応を重ねることで立派に一商品としての大きな価値を生み一人立ち出来る。
しかし、結局1品のみとなれば目も当てられない。
いくら初期トラブル対応を重ねようと結局それだけでおしまいでその先見込めるはずの
台数に伴う利益など夢に過ぎない。
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あいつは決して下請けはやらないとの頑固なる信念の元、1品料理ばかり手掛けて来た。
1品料理品は他社では売れないから1と言う数字がつく。
受注生産品であり他社にはないノウハウを考慮し注ぎ込む。
1品料理であっても今の時代決して高い値段で売れるはずもない。
初めてのものづくり要素も含んでおり納品後も何かと不具合が発生する場合が多い。
そのトラブル対応時は他の製品の製作にはかかれずひたすら不具合対応に徹する。
修復しなければ納品さえ覚束ない。当然お金も入ってこない。
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あいつは思う。これではいつまでたっても同じ事実の繰り返しだ。
ものづくりであっても商売には変わりない。
お金を頂いた瞬間しか利益を稼ぐことは出来ない。利益がなければそのまま会社はお陀仏だ。
やはり1品料理では飯は食えない。
自社製品を作らねば。徹底した熟慮の上で。
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あいつは考えた内容を図面化しそれを様々な客先へ持ち込む。
今のところ良い感触だ。しかし、製品化までなるとこれからも茨の道は続くのは自明の理だ。
ひたすら熱い情熱と願望を持ち続け経営道を耳学、座学そして実践で学ばねばならない。
曖昧さを徹底的に打ちのめし科学の道を推し進める。
商売は実践の科学のはずだ。
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あいつが今回考え出したものづくり製品。ある二つの製品の長所の組み合わせだ。
商売とは一発勝負では決してない。
勝ちやすきに勝ち、そして戦わずして勝つことこそが王道なはずだ。
決して強者の真似はせずそして強者へは立ち向かわない。
ひたすら情報を仕入れ、解決するべくライバル会社が今だ思いつかない隙間を狙う。
その隙間は狭小な分野であり大きな企業では商売が成り立たない分野だ。
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あいつは今後如何なる行動を取るか。
先ずは作るか。だが資金がない。
今現在引き合いのある案件に含めるか。しかし不具合発生は頭に入れておかねばならない。
トラブル対応時の発生金額まで提供金額に含めることは出来ない。
勝負を掛けるか。いやそんな軽率な行動は決して取らない。
確かに今までの客先の反応は決して悪いものではない。
商売とは続けることに価値があり一発勝負を掛け失敗すればそれでおしまいだ。
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戦略とすればそれに対する投入する物量が多ければ多いほどその成果は
時間的に早く結果が見れるし又今後の対応が取れる。
それに伴う資金は当然ながら最重要視される。
ちっぽけな小さな零細企業が一体如何なる方法でそれを解決すればよいのか。
その回答を出すのはもちろんちっぽけな存在でしかないあいつしかいない。
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(しかし、誰もあいつのイニシャルを知るはずもない。)←余計な文章かな。
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「これでうまく行かなければ諦める。」
あいつは俺にそう言った。
昨日で終わらせる予定が結局泊り込みとなり今日も引き続き対応に苦慮している。
続けてあいつは俺をにらみながら言う。
「これで今回の不具合原因は全て取り除いたのだから、うまく行くやろう。」
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この機械を何度も嘗め尽くし考えられる原因を探り出す。
一つ一つに的確なる対処を施しその度にその結果を確かめる。
僅かな動きに対しても目を離さず体で感じ取る。
機械が発する如何なる音波も聞き逃さぬ様聞き耳を立てる。
その上女性職人ならではの感性を研ぎ澄まし丁寧にそして優しく機器を操作する。
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「やるだけやった。」
あいつのその言葉を信じ俺は手の爪先で輝く今流行のきらびやかな輝くマニキュアを
覆い隠した軍手の指先で運転スイッチを入れる。
機械は静かに動き出す。
その様子をあいつと俺はそれぞれ異なる箇所で見入る。
一切会話を交わさずその動きにひたすら目を凝らす。
手にはスケールを持ち常にその動きを測る。
それは1ケ所ではなくスケールを当てることが出来る箇所全てに動きの数字を把握する。
動き回りながらも常に耳の感性を研ぎ澄ます。
足、手、目、耳。そして俺とあいつの男性にはない感性を存分に使い駆使する。
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今回は止まらない。機器の各部品も良好に動いている。
俺の赤く塗られた口紅の口元は自然とほころぶ。
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「これで帰れるな。」と俺は高い小さな声で先程から隣でスケールの目盛りに見入っている
あいつに囁く。
予想もしなかった泊り込みで化粧もろくに出来なかったあいつはこちらを振り向きそして微笑む。
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「俺はさっき旦那へ今日は夜遅くだが帰れると電話したぜ。」俺はあいつに教えた。
あいつは言う。
「そうだなあ。お前の旦那は心配性だからな。」
「俺も電話しておこう。今日は旦那の手料理の晩御飯を食いたいしな。」
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その日。一旦俺とあいつは何とか帰社できた。しかし2日後に再び客先より連絡が入る。
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機械が止まったと。
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それでは又です。
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読破。
「星を継ぐもの」ジェイムス・P・ホーガン著
物理そして生物学についてかなり専門的に書かれている。
ハードSFそのものでどこかの科学書を読んでいる感も起き得る。
自分なりにはかなり楽しめそして今後もハードSFの虜になりそうだ。
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読破中。
「ガニメデの優しい巨人」ジェイムス・P・ホーガン著
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えっ。今日で11月は終わりなのブログあるはず。
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2007.11.30by 博多の森と山ちゃん
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