10月12日 溶接肉盛されたスパイラル状の部品をひたすら削る。。。
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我が町工場の若き職人が、決められた外径寸法へひたすら自動送りで削り仕上げる。
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片手に持つLED照明の懐中電灯で照らし、片手ではその装置本体へ軍手をはめながらも
かざす。
触れられた片手は既に稼動中であるその装置の振動で微動する。
動きを体全体で感じるが如くにしばらくその状態のまま身動きしない。
納得は出来ないが次なる箇所へLED照明で照らしひたすら見入る。
手持ち無沙汰の片手はその輝かされ明確化された付近へと近づけられ、又しても広げられた
掌全体が差し出される。
触られた掌へは当然の如くに装置本体からの微動が伝わる。
その繰り返しだ。懐中電灯を照らしては本体を触る。一体いつまで続けるのか。
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この装置は導入後手直しは若干行ったが何ら問題なく、しばらくは順調に稼動していた。
いつの頃からか突然調子不全となり本来の機能を果たせなくなった。
その時点より客先と論議を何度も交わし実際に原因究明の行動に出る。
究明のための道筋は至極最もで当然通るべき道路であった。
しかし、一歩一歩しらみつぶしにそれも地道につぶしていくのだが一向に効果が現れない。
それどころか歩んだ道筋がいつの間にか長くて暗いトンネルに入り込んだかのようだ。
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今回こそはとの意気込みで進めたその一歩の成果を体全身で感じているところだ。
目の前にあるデジタル計を時計片手に眺めるも一向に数字の変化はない。
それにもめげず、その装置の周りを何度も行き来する。
歩みを止めるたびにLED懐中電灯明かりを当てそして触る。
その装置の鼓動を我が身の体の奥深く注ぎ込むために。
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「一体何が原因なんだ。」「何故一体どうしたというのか。」
頭を抱えついには天を仰ぐ。
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我が身の様子を見つけ現場担当者が近づいてくる。
「どうですか。よくなりました?」
私は両手の手の平を上向きへ向け上下に動かしながらだめだと言うポーズ取る。
「しばらく様子を見なくてはなんとも。」
その言葉に頷きながら担当者はその場を立ち去る。
目の前のコンベアラインが稼動したらしく急ぎ足でその方へ向かったようだ。
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私は決心する。いずれ報告せねばならない。早いに越したことはないだろう。
重たい足取りで客先事務所へ向かう。
事務所入り口でライバル会社の担当者に出会う。
私から「こんにちは」と声を掛ける。だが何ら反応はなかった。
競争相手であれば当然なしうる行動だろうか。
無反応の相手に対して熟慮する余裕もなくヘルメットを頭から降ろし片手で事務所入り口のドアを
開けすごすごと体を入れる。
担当者が在籍しているであろう扉をノックを3回繰り返す。
いつもながらノックした後の扉越しの返事には一切耳を貸さずに一気に解放する。
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広い部屋にはその担当者一人がうろついているところだった。
緊張した面持ちで近づき言葉を掛ける。その反応にいちいち心臓の鼓動が高鳴る。
顔面蒼白なのは既に自覚し今回の報告内容に対する拒否反応の想像に思いが浸る。
今回の結果報告は口には出したくはないが、それは義務であり果たすべく行為である。
相手の顔色に心を割きながらも言葉を続ける。
とうとう本日の結果報告と相成る。
恐れる気持ちを必死に抑えながらも震えている舌の微動が感じられる。
ついに発言を行う。
「先ほど手直しを行いしばらく様子を見ましたが数字は少しは上がっています。」
「しかし結果が改善したかと言うと。」
視点が定まらない目つきはうつろに何を見ているのか自分自身既に自覚できていない。
当然返ってくるであろう恐れるべき刺激に体が身構える。
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ところが。
「うん分かった。今後うちのほうで様子見てみましょう。」
担当者の顔色を眺めるべく見つめる。何と笑顔だ。
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その全くの見当違いの相手の様子に私はしばらくその場で呆然と立ち尽くす。
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今回は拍子抜けする。
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それでは又です。
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読破中。
「人形式モナリザ」森博嗣著。
一向に切迫感、緊張感が起きない。一体どうした森氏。
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今回のエントリーは一向に内容が理解できないブログあるはず。
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2007.10.12by 博多の森と山ちゃん
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