6月11日 コーティング剤と夢うつつ。。。
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高温対策に頭を悩ます。
ついぞ行き当たる。
日頃付き合いのある方に教えて頂き、直接電話を掛けた。
液体セラミックのコーティング剤。水性、無機質。
コーティング剤とは言っても塗布方法はそんなに難しくはない。
下地にケレンを施し塗装後、高温で乾燥させるだけ。自然乾燥はあまり効果がない。
耐熱温度は約2000℃。鉄、非鉄金属の高温酸化を防止できる。
実際、大手製鉄、電力会社での実績がある。
反射性があるため、炉内のキャンバス、耐火煉瓦の劣化防止にも使われている。
値段は少々高いが、長い目で見ればかえって安く付く。
後は実際に使用し、腑に落とすだけだ。
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本日も会社に行くべく早朝目を覚ます。
体を起こし細心の注意を払い寝室を静かに出る。
襖を閉める際も全神経を我が右手に注ぎ、静粛さを保つ。
決して我が嫁様だけは起こすわけにはいかない。
それだけは何があろうと私の決心を揺るがすものは何もない。
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襖を締め切るがどうもおかしい。
本日の早朝の自分はいつもと違う。
体の具合がおかしい。
頭が割れるように痛む。短い時間でも立っていられない。
呼吸する度に頭を両側から鈍器で叩かれているかのようだ。
かなり痛む。強烈だ。
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頭痛の頭を抱えたまま、電話が置かれた棚の扉を開ける。
手探りで捜し目当ての頭痛薬を取り出す。
2つの錠剤を手に取るとコップに水を注ぎ一気に飲み干す。
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しばらく自分の体の様子を見よう。
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その部屋のテレビの前に置かれたソファーへ雪崩れ込む。
今だ割れるように痛む。
ズキズキと心臓の鼓動のリズムとともに頭を強い力で打ち鳴らす。
ソファーに横たえ、その痛みに必死に耐える。
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どのくらい時間は経過しただろうか。
次第に痛みは治まり始める。
頭痛が緩和されると伴にまぶたが落ち始める。
薬が効き始めたのだろう。
自分自身の体の感覚がなくなりいつしか意識すらも朦朧とする。
既に眠ってしまったのだろうか。
横たわったその体は存分に柔らかなソファーに包まれいつしか夢心地へといざなう。
寝っているのだろうか。
いつしか自分という意識は最早そこにはなかった。
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意識がないまま既に我が九州は福岡、博多の町工場の中にいる。
周りの職人はそれぞれに懸命にものづくりに腕を振るっている。
私も作業着を身に付け被り面を頭に取り付け、右手には溶接機のトーチを抱えている。
目の前にはこれから組み立てられるであろう部品が所狭しと置かれいる。
私は早速被り面を被り先ずは何点か溶接点付けを施す。
何年ぶりだろうか。溶接を行うのは。
被り面の感触。手に取るトーチの握り心地。
体を屈め右手を溶接する地点へと運び光を輝かせる。
トーチのレバーを押し、炭酸を出しながら同時に溶接ワイヤーも導き出される。
溶接される接触面の閃光は被り面の色ガラスを通して我が目を刺激する。
仮付けが終わると後は全溶接。ひたすら溶接トーチを走らせる。
そのトーチが走る箇所は溶接ワイヤーが溶け金属と金属が接合される。
その様子はあくまでも色ガラスを通してでしか確認できない。
日頃鍛えた腕と勘でいとも簡単に右手を接合される直線を一気に走らせる。
ただ付ければ良いものではない。
存分にワイヤーを溶かしそして傍目よりは綺麗で鮮やかだと頷かせねばならない。
もし、溶接面が割れ、はずれでもすればそれこそ恥であるし、給料などもらえない。
それで飯を食っている訳だ。腕ひとつで飯を食らっている立場だ。
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久しぶりだ。
自分の腕を振るえることの嬉しさを体全身で味わう。
自分自身の体を使うことにより製品が完成に近づくものづくりの醍醐味を存分に味わう。
体は決して忘れていなかった。
体でやはり覚えていたのだ。
溶接をやめて既にかなりの期間が立つ。
工場で職人と一緒に溶接、ガス切断、旋盤、シャーリング、のこ盤、ボール盤などで
懸命に自分自身の体でものづくりに励んでいた頃が走馬灯の様に頭を駆け巡る。
体全身で味わう感触につい感傷に浸る。
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次はかち上げだ。
上向き溶接だ。果たして今の自分にこの技ができるだろうか。
確かに下向きの溶接は難なくこなした。
だがこの技は難しい。
下方向から上に向かって溶接接合面を走らせる。
微妙な感覚が必要で下手するとくっ付けるところか溶接ワイヤー溶けた部分が下方向へ垂れる。
接合面へ溶けて接合されているのではなく、溶けた溶接ワイヤーをひたすら垂らすだけに
なりかけない。
何点か点付けが終わるといよいよかち上げ溶接だ。
果たして体は覚えているのか。
緊張しながらも右手に溶接トーチを持つ。
一呼吸を置くと、溶接ワイヤーを接触面へ当てる。
閃光が走る。
被り面の色ガラスを通してそのまばゆい光を我が目で感じ取る。
このまま走ろう。
右手をジグザクに動かそうとしたその瞬間。
私の肩を叩く感触に気づく。
確かに何者かが私の肩を軽く叩いている。
私はその感触に驚き思わず振り返る。
叩くのに気付き即座にその方向へ顔を向けたはずだ。
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眠っていたのだろうか。
目を覚ましたのだろう。
上げた顔の先にはパソコンの画面から光が注いでいる。
まぶしさはあまり感じずに画面の様子が目に入る。
即座に周りを見渡す。
それは日頃活動、仕事をしている見慣れた光景だ。
会社の事務所だ。
いつもの日常と何ら変わりない。
私は椅子に座り机にはキーボードそしてマウスが置かれてある。
やはり眠っていたようだ。
しかしあの感触は今だ残っている。
確かに誰かが私の肩を叩いたはずだ。
それは誰かが私を起こそうとしていたのだろうか。
だが事務所内には誰もいない。
私一人パソコンの画面に向かい図面を描いていたようだ。
気になり思わず後ろを振り返る。
しかし、誰もいない。その気配すらない。
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眠気を払うがごとく先ずはマウスを右手に抱える。
キーーボードには左手を遣り顔は画面へ向ける。
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図面が描かれた画面をしばらく眺める。
どれほど時間は経過してだろうか。
意識的に画面に見入る。
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その図面には全溶接の記号が記されてあった。
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それでは又です。
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読破中。
「素粒子と物理法則」R.P.ファインマン、S.ワインバーグ著 小林鉄郎訳
読破。
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一気に読める。
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「新宿鮫Ⅲ」大沢在昌著
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