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5月6日 こどもの日だからこそ。。。(2)



本日も早朝より出勤し、図面描きに没頭する。
しかし、この静寂さの中で仕事ができるのも今日までか。
今年の黄金週間も本日で終了だ。
明日より又雑音、騒音の鳴り響く空間に身を寄せながら活動することとなる。

本日くらいとの思いで、
他人が全く存在しない空間で只一人ひときわ安逸のひとときを過ごす。

仕上げるべく図面も完成し気分転換に又しても外へ駆け出そうかと思いを巡らす。
事務所の階段を降り、事務所前の道路へ体を出す。
しかしながら、アスファルトの道の窪みには水溜りができそれに向かい
連続的に水滴が落ちている。
水溜りに落ちる雨が私の一つの気分転換法である走るという行為を妨げる。







滴り落ちる雨を見つめる。
そしてその絶え間なく引力により地球の中心へとひたすら落ち行く水のしずくに浸りながら
雨に濡れた道へと出る。
常に降り注ぐ雨に体全身打たれながらも、偉大なる自然の爽快感を味わう。
引力に引かれ重力とも呼ばれる力により質量が生まれたかすかな重みを感じる
水滴の冷たさにあのペルチェ効果を利用した携帯型温冷蔵庫につい思いが向かう。
しかしながらn型p型の半導体を内蔵したボックスであるペルチェ素子は
頭上雲から降り注ぐ雨とは何ら関係がない。


それより昨日書き記した赤外線とマイクロ波の説明はどうした。
ペルチェ素子との関連は無きに等しい内容だが、
誰からもリクエストがないため、なおさらここで書き留めておこう。
もちろんものづくりのメロディーを口ずさみながらだ。


先ず赤外線。
赤外線には実は大きく3種類がある。
実は熱がある物は全て赤外線を発しているのはご存知の通りでして。
その赤外線は電磁波の周波数の数字により近、中、遠の3つに区分される。

その中でも加熱、乾燥にに使用されるのが遠赤外線。
その理由は遠赤外線の電磁波の横波は物を形作っている分子の振動と合致する。
物に照射、輻射された遠赤外線は共鳴しながら吸収され物の分子の活動を活発にする。
そのため照らされた物は温度が上がる。
しつこいですが我が町工場第1号コンベア式乾燥機はこの遠赤外線ヒーターを利用している。
しかしながら、今回製作完了した第2号コンベア式汚泥乾燥機は蒸気(飽和蒸気)のみの
利用だ。
工場の余剰蒸気を使用すればランイングコストが安価で済む。


そしてマイクロ波。電子レンジで使用されているマグネトロンより電磁誘導で発生される
電磁波。
この横波の波長は赤外線より長い。と言うことは周波数は低い。
このマイクロ波は水の分子を激しく振動させることができる。
遠赤外線は物分子を共鳴振動させたがマイクロ波は水の分子活動を活発にする。
その振動による水の摩擦熱により食品を加熱する。
つまり遠赤は物の分子そのものを振動させそしてマイクロ波は水の分子を振動させる
訳ですな。

ところが金属はこの波を反射してしまう。そのため電子レンジには金属の容器は使えない。
又アルミ箔も同様に反射するため使用できない。
そして、水分子のみを共鳴振動させるため、水分を含んだ食品のみを加熱し容器は温まらない。


もちろんマイクロ波を利用した乾燥機も実在する。
このマイクロ波は殺菌作用もあるためやはり食品乾燥に向いている。




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おっといけない。
昨日の続きを。
それでは昨日の終わりの部分より。




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誰もいるはずもないこの場所に誰かが座っている。
私一人がこの事務所を占拠しているはずなのに目の前に見知らぬ人物が座っている。
驚きと恐怖を感じながらも私は目を凝らし相手を見る。
子供だ。
私の息子ではないがよく見ると子供ではないか。
背丈は決して大きくないが今だあどけなさが残った可愛らしい男の子だ。
何故だ。
何故いつの間にここに座っているのだ。
私はその男の子は全く見覚えがない。
事務所付近で決して見かけたことがない。

不思議に思いながらも何故ここにいるかを先ずは尋ねようとした。
目の前に座っている理由を尋ね早々に家に帰さねばとの思いが巡る。
親御さんが心配しているかも知れない。
私は口を開こうとした。
先ずは質問を投げかけようとした。

しかしだ。
私が口を開こうとしたその瞬間。。。。。




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先に私の目の前の可愛らしい子供が口を開く。
「こどもの日くらい僕に言わせて。」
「いつもは大人の人から命令ばかりされて。ろくに誰も僕の話など聞いてくれやしない。」

私は只頷く。

「毎日お父さんと言ったら帰るのは遅い。」
「僕の眠った後しか帰って来ない。その上日曜日さえ仕事に行き夜遅くしか帰って来ない。」
「お母さんは愚痴ばかり。そしていつも僕を怒ってばかり。」
「あれしなさい。これしなさい。そして最後には早く。早く。」
「大人はいつも忙しくて僕の話なんかちっとも聞いてくれしない。」

「今日はこどもの日でしょう。だから言いたい事きっちり話すから。」
「しっかりと聞いてね。お願いだよ。」


私はまだあどけなさがの残る少年が発した言葉に聞き入ってしまった。
お願いされたのだからもちろん私は身を入れてしっかりと聞く事にした。
確かに本日は子どもの日だ。
しかしながら相手がいくら子供だからと言ってないがしろにする行為は
失礼に当たる。
相手は真剣に私に向かって何かしらの内容の話をしようとしているのだ。
日頃誰にも聞いてもらえない寂しい気持ちをここで吐露しようとしているのだ。
私はその可愛らしいあどけない少年の話にじっくりとそして丹念に聞き入る事にした。


しかしその内容に私は驚く事になる。
これがあのあどけない男の子が話す内容か。
今内容は本当にこの可愛らしい少年が話しているのか。
私はいつしか夢心地になって聞き入っている自分に気がつく。


それほどまでに真摯に今現在の社会状況を把握しているのか。
現在の日本国いや世界全体の成り立ちまで深く探っている事実に驚愕したのだった。


少年の話した内容を要約する。


大人の話す内容はお金のことばかり。
子供に対してはそんな事では社会では通用しないとか世間はそんなに甘くないとか
言うが、結局のところお金儲けさえできれば社会では十分に通用すると言っているようだ。


テレビでは将来の不安や他人の中傷ばかりを流しているけど。
そんなに他人の不幸が面白いのか。
子供には将来の不安ばかり訴えてそんな社会を作ったのは大人だろうに。
子供に何の責任があるのか。


社会問題が次々に起こるがその解決方法を考えるのではなく
誰が悪いとか何が悪いとか全て他人のせい。
ニート、ワーキングプア、戸籍300日問題、そしていじめ。
犯罪加害者優遇。犯罪被害者への救済
議論ばかりで実行がいつも伴わない。
大義名分、世間体を先ず第一とし実際現場で起こっている内容は見向もしない。
最終的には他人まかせ。そしてお金にならないことは自分に関係ないとそ知らぬふり。


お金と暴力が世界を支配している。
お金がない者よりお金を持っている者の方が偉い。
賄賂を貰ったり、他人を犠牲にしてまで金儲けをしそしてそういう行為が発覚しないかぎり
立派な社会人だと認められる。
国の税金は戦争のために使われる。
そして人を殺す、体勢をも殺す戦争は正義と自由のためならいくらやっても良いと
世界が認める。
いくら戦争を反対しようが国に納めた税金は爆弾、武器の為に使われる。
先に爆弾を落とそうが、先に人を殺そうが世界は認めている。
暴力により死んだ者は諦めよと平気で言える世の中。
国連を牛耳っているのは暴力の戦争で勝った国。
現実に世界を動かしているのは莫大にお金儲けができる企業。
そして軍事力、核爆弾を数多く持った国。
金と暴力に富んだ者が世界を仕切っている。


私は反論しようとした。
もちろんこの少年の話す内容は物事をある一面でしか捉えていない。
しかしその内容は全て事実である事は私も頷ける。


しかし、私ははっきりと伝えた。
確かに大人である自分達がこの世を作っている。
子供らに何ら責任はない。
だからこそ私はその少年に伝えた。いやどうして伝えたかった。
私はゆっくりと丁寧に言葉を選びながらその少年へ口を開いた。


「この世に生まれてよかったね。やることがたくさんあるよ。」
「自分にできる事をしっかりとやって行こうね。」
と。。。


私はそうその可愛らしい男の子に告げた。
私が口を開くとその少年の表情には笑顔が見られた。
その笑顔に私は安らぎを与えられる。




ふと目が覚める。
周りを見渡す。
あれは夢だったのか。
ソファーにいつの間にか横になり寝入っていたのか。
やはりランニングの疲れなのか。
私は起き上がると目の前にあるソファーの椅子を見入る。


確か夢の中ではあの可愛らしい男の子がこの椅子に座って私に真摯に話していたな。
一生懸命訴えかけていたよな。
しばらくその椅子を眺めていた。
誰も座っていない椅子を見つめていた。
どの位眺めていただろう。
そろそろ仕事を片付けなくては。
私は立ち上がろうとした。
立ち上がろうとした瞬間に私は気づき目を凝らして見入る。
目の前のソファーの椅子を凝視する。


そのソファーの椅子には少年が座っていたであろう窪みが残っていた。





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それでは又です。




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読破中。
「物理法則はいかにして発見されたか」R.P.ファインマン著 江沢洋訳




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2007.5.6by 博多の森と山ちゃん




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