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2007年05月29日

5月29日 結論は出ている筈だが。。。



「今日こそは片付けるか。」
私は工場出口に何日間も放り出されたボルト、ナットを手に取る。
日頃見慣れるとどうしても麻痺してしまう。
そこに置かれているのが当たり前になり誰も片付けようとしない。
しかし、機械の部品と言えども使用せずに置かれていればただのごみとも言える。






常に我が町工場で議論になる。
なぜ掃除しないのか。
しかし、本人は常に片付けていると反論する。
それはそこにわざわざ置いているのだが、他人から見れば必要のないただの
ごみだとしか思えない。
あるいは放り出された、置き忘れたものが常にその場所にあるため
それが当たり前と思うようになりそのままの状態でそこに存在する。
しかし、全く関係のない者がそれを見かけると何故そこに置かれているか
理解できないため掃除をしていないという結論を出す。

互いに気づけば指摘することが大切だと理解しているのだが。
工場内は清潔であるのに越したことはない。
お陰様で我が町工場も以前と比較するとずいぶんときれいにはなっている。


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毎朝恒例のラジオ体操が終わると我が九州は、福岡、博多の町工場を出るべく出口に向かう。
出口付近には今だ出荷前のベルトコンベアが置かれたままになっている。
ベルト幅は広く機長もかなりある。
運搬に10トントラックでなければ運べない。
毎日試運転は続けられておりそのデータは克明にノートに記載されている。
既に1週間は経過している。
実のところこれだけの長い期間試運転を続けたのは過去記憶がない。

客先事情により納品日が遅れている。
しかし、その期日を存分に利用しようとしている。
実際稼動させその情況を詳細に記録として残しておく。
それを如何に生かすかは我が社の力量と言うことになるだろう。
残り部品を一点製作し取り付ければ完全に製作終了となる。
客先には既に写真そしてビデオは提出した。
今回は製作のみの受注であるため事前手直しは我が町工場で完璧に終わらせねばならない。
納品後の修正となると当然ながら現地での作業となるためお金が発生する。
その費用は全てが弊社の損失となる可能性が大きい。

最終的には発注しそしてお金を払う側の立場は強い。
事前に契約書を取り交わそうがそのその存在すらも無視される。
過去弊社も経験がある。
「これを手直ししなければお金を払わない。」との発言があれば対応せざるを得ない。
明らかに弊社の失敗、過失であれば当然ながら即座に対処せねばならないだろう。

この手直しの内容の定義が厄介だ。
なぜかしら発注先は曖昧で判断が付きにくい部分を指摘する。
追加と手直しを天秤にかけそれが釣り合っている箇所を追求される。
決して追加作業と明確に分かりうる場所については目もくれない。
どうとも判断が付きにくい場合の対応となると、どうしても弱者である受注側が責めに会う。
根底にはお金をもらわねばという意識がどうしても働く。

次なる発注が必ず頂けるのであれば喜んでやるかもしれない。
しかし、最近の各企業の動向は決して1社のみに何もかも任せるということはない。
必ず競争をさせ金額に納得し得うる企業へ発注する。

又、受注する側も手直し部分を見込んでの見積り提示などできるはずもなく
他社以上の低価で提出する必要がある。
これは資本社会、自由社会であるがゆえに当然の行為だと言える。

実際過去この手直し、修正が手に負えず倒産した会社がある。
この会社かなりの安値でプラントを何件も受注していた。
俗に言う半値八掛けの値段。
それは低価であっても1件のみではなく多数の案件の受注のため
全体で補えるだろうとの判断があったのだろう。
ところがだ。
現地の情況が刻一刻と変わる。
機械、装置間の取り合い。機長の現地での変更。
改造、修正。
契約条件も不利な内容だったようだ。
完成しないことにはお金は入ってこない。
その為手直し作業にお金を突っ込まねばならない。
どこも助けてくれないから手出しだ。
相手が大手メーカーであったのも一因だろう。
どこも面倒見てくれないため倒産。

我が社のごく身近な会社もそうであった。
ある会社の仕事を一気に引き受けかなり羽振りが良いとの噂が届いていた。
ところがあっけなくつぶれる。
その原因は製作した製品がうまく稼動せずその対応に追われ資金ショート。
この会社も相手が大手だったらしい。

我が町工場もリスクを伴う仕事はある。
製作後の稼動情況がつかめないものづくりももちろんある。
稼動後のリスクを負うのはもちろん製作者だ。
そのため稼動後の判断が付きにくいものづくりにはどうしても尻込みしたくはなる。
だが、逃げてばかりでは何ら技術的そして技能の進展は望めない。

挑戦。この言葉には失敗という言葉が同居している。
確かにやってみなければ分からないと人は言う。
あらかじめ失敗すると分かっていれば誰も手をつけない。
しかし、もしかしてという連語が頭をかすめでもすれば手を上げ金額を提出する。
そこで提出される金額の高い低いはどう判断されるであろうか。

どこも作っていない、作らないものづくりを行うのが本来の製造業者の役割なのは
誰しもが分かっているはずだ。
さすれば価格競争から脱出ができるのも誰しもが理解している。

さて、今後どう行動しますかな。
既に結論は出ている筈だが。。。




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それでは又です。




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読破中。
「素粒子と物理法則」R.P.ファインマン、S.ワインバーグ著 小林鉄郎訳

読破中。
「家族狩り 第四部」天童荒太著



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2007.5.29by 博多の森と山ちゃん