3月4日 俺はまだ見習い。続き。
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つい先程から空模様が怪しくなった。
やはり天気予報は当たるのか。
本日の日曜日の静寂は時おり吹き荒れる突風により破られていた感はある。
しかしながら他の騒音も間断なく耳に聞こえていた。
それは九州は博多の町工場より鳴り響いているのであり、吹きすざむ早春の力強い風に
立ち向かうかのごとく敢然と人々の聴覚を刺激していたはずだ。
ふんだんに聴覚より脳細胞を刺激するのは、まさしくものづくりに励む職人達が
打ち鳴らす音であり、テンポ、リズムなどお構いなしにひたすら世間の憂鬱、鬱憤を
晴らすべくか如きに掻き鳴らす獅子奮迅なるものづくりのメロディーに相違ないはずだ。
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昨日の最後の文章より。
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やはり、現実は甘くない。
稼ぐどころかいつの間にか現金は減る一方。
スロットに日参すればするほど財布の重量は軽くなっていった。
お金がなくなれば行くところは決まっている。
カードを通せばまたしてもお金が出てくる。
そのお金は高金利の借金と題目の身をも滅ぼす悪財であるのに気づかぬまま。
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そして。。。。
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しかし俺はやめれなかった。
いや、やめようと言う考えが何故か一切起きなかった。
やはり、スロットで稼いだ時期のことが体全身に染み付いておりそれは簡単に
拭い去ることができなかったことも理由の一つであろう。
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俺は借金を重ねた。
いや、自分自身はいとも簡単に手に入るお金は借金だとは考えていなかった。
それは目の前にある札束、コインでありスロットをやるための一つの道具に過ぎないと
大きな錯覚をしていたのかも知れない。
稼ぐどころかお金は毎日毎日減る一方。
それは体に染み付き決して拭い去れなくなっていた。
仕事が終わると一目散にパチンコ屋へ直行する毎日だった。
パチンコ通いが日課であった。
それはもちろん崩れ落ちそして破滅する。
本当のところ、いつかは取り戻せると言う意識が脳細胞を汚染しており、今後如何なる
境遇になるかなど頭の片隅にも思い浮かばなかった。
やはり時は流れそして時は誰しもに正直だ。
報いは必ず起こる。
それは原因があるのだから当然の成り行きだ。
借金の金額はいつの間にか短期間に膨れ上がり、その数字の総額を計算し終えた途端
自分自身から血の気が引き総毛立った。
信じられなかった。
自分自身が信じられない。
その金額はもやは自分の給料で払える数字ではない。
借りたものはいつかは必ず返さねばならない。
借金とはその文字通り借りた金であり、返さねば犯罪である。
そして、ついに自宅に督促の電話が入る。
電話の相手はすでに分かっているのであり、俺が自宅にいる時はもちろん俺が受話器を取る。
しかし、四六時中俺は家にいるはずがなく、とうとう我が妻に知られることになる。
我が妻が受話器を取った手は多分震えていただろう。
その相手の話の内容には先ずは疑ったに違いない。
しかし、それはまさしく俺が実際行った行動であり、紛れもなく自分が犯した罪であった。
もちろん喧嘩だ。
帰宅し、玄関の扉を開けリビングに入った瞬間より我が妻より厳しい追求が始まる。
本来であればそれに対して返す言葉などないのであるが。
売り言葉に買い言葉だ。
つい感情的になり怒鳴る。
我が息子はまだ小さい。
二人の様子を黙って眺めていたが次第にその顔の表情は泣きそうになる。
ただならぬ雰囲気は子供がいくら小さいとは言っても分かるのだろう。
しまいには泣き叫ぶ。
しかし、喧嘩はおさまらない。
二人とも若いせいもあるのだろう。
一旦、感情的になるとなかなか平常心には戻れない。
しかし、俺は既にある決心をしていた。
自分が引き起こした内容だ。
誰にも迷惑をかける訳にはいかない。
我が家庭の一員である妻。そして子供。
何の罪もない。
悪いのは自分自身だ。
自分が墓穴を掘ったのだから自分で埋め戻さねばならない。
その決心とは。
寝る間もなく働く事だった。
もちろん町工場へは内緒だ。
夜も働くなど話でもすれば即刻首に違いない。
自分自身で決めた後の行動は早かった。
すぐに働く場所は見つかった。
面接もスムーズだった。
まだ若いせいもあるのだろうか。
いよいよ昼間は町工場。そして夜は他の仕事。
睡眠時間が殆どない生活が始まった。
いくら若いと言ってもきつかった。
昼夜働き始めた途端に昼、夜の区別がつかなくなった。
次第に体も慣れるだろうと甘く構えていたが一向にその様子にはならない。
一日中起きているのか寝ているのかわからない状態。
歩いていても、仕事をしていても意識は朦朧とし、相手の話が殆ど頭に入らない。
しかし、やめる訳にはいかない。
自分がしでかした罪滅ぼしだ。
昼間の町工場仕事が余り忙しくないのが幸いしていた。
定時に上がることができる日々が続いた。
しかし、その町工場の仕事も日増しに忙しくなっていく様子が肌で分かる。
次第に慌しくなりとうとう残業の毎日が始まることとなった。
残業がなければ、一旦帰宅後仮眠を取り次の夜の職場へ向かう日々を過ごしていた。
ところがだ。
残業となれば仮眠が取れない。
より一層睡眠時間が短くなる。
何とか耐えていたのであるが。
何とか若さで吹き飛ばしていたのだが。
身がもたなかった。
とうとう布団から出れなくなる。
体が動かなくなった。
全身がだるくそして体がかなり熱い。
寝汗は当然ながらかいており、体が動かない。
かなり高熱だろう。
自分自身疲れとは分かっている。
しかし、このままダウンするわけにはいかない。
何とか立ち上がろうとするのだが、体が言う事を利かない。
体全身が小刻みに震え、目の前がはっきりしない。
ついに起き上がるのを止めしばらく仰向きになり天井を眺める。
目がつぶれる。
次第に意識が薄れる。
しかし、このまま眠るわけにはいかない。
目を開け、体全身へ力を注ごうとするのだが。
体が動かない。
共稼ぎの妻は、毎朝我が息子を保育園に送り会社へ出社する。
そのため俺の方が家を出るのは遅い。
毎日我が妻と息子がまだ寝静まっている明け方帰宅し、眠りに付く。
そして、次の朝二人が家を出た後俺は起き上がり町工場へ出社していた。
二人と会えるのは日曜日だけだ。
昼夜とも仕事は休みで体を休め得る一日だった。
もちろん日曜出勤の日もあった。
その場合は代休をとって体を休めていた。
しかし、最近の残業の毎日には閉口した。
最早昼夜全く休めない。
昼と夜の仕事の合間の仮眠が取れないのはやはり自分の体を疲れが犯して行ったようだ。
とうとう町工場を休むようになる。
当初は風邪を引いたと嘘の電話をし、そのまま眠っていた。
俺が町工場を休んでいるなど我が妻が知るよしもない。
やはり、町工場の仕事はきつい。
それに比べると夜の仕事の方が楽だ。
長く続けるつもりはないので気分的にも気楽に働ける。
次第に昼夜問わずの仕事から、夜だけの仕事へと変化していった。
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そして。。。。
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