12月11日 科学的議論とは。
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昨日は自宅にて苦心の年賀状作り。
我が家での年賀状作成は偉大なる独裁者の鬼の目の常なる監督の下において
実行せねばならない。
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私的そして個人的内容は後日に詳しく書くとして本日は我が九州は福岡、町工場の
我らが職人の様子を又しても動画にて。
少しでも眺めて頂ければ幸いですばい。
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本日我が九州は福岡、博多の町工場では製作終了したある装置の組立をいよいよ
開始。
そして、若干の手直しを加えながらも無事組立終了。
いよいよ試運転開始だ。
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「お~い。電源入れてみろ。 」との命令により若き職人がブレーカのレバーを上げる。
早速その装置は動き出す。
「しばらく様子を見るぜ。」
ベテラン職人の言葉と共に、その装置の周り集まった職人達は動く様子を必死で眺める。
装置周りを動き回りそしてなるべく近づき稼動中のその振動体を実際手をおいてみる。
耳を間近ヘとやり聞き耳を立てる。
しゃがむ。背伸びする。
自分の体自体も様々に動作させ、まるで動いている装置と一体化しようかとしている如くに。
試運転開始後は誰しもが無口になる。
それは稼動中の機械より語りかけてくる言葉を決して聞き逃さないように
全神経を集中させているのであろう。
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「う~ん。なんか音がしだしたばい。」
静かな空間を打ち破るが如くベテラン職人は呟いた。
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確かに動作開始後はしばらく何ら大きな音は発生しなかった。
しかしながら時間経過と共に異音が発生しそしてその音色は次第に大きくそして
どこかしら神経を逆なでするが如くに変化しだした。
その言葉に誰しもが頷きその発生している箇所を早速捜す行為へと体を変貌させる。
「一体どこからしようとや。」
はっきりとした大きな声になった言葉にその発生源を突き止めるべく、それぞれの職人の
顔の表情はより一層緊張したかに見える。
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職人は皆、その機械周りを右往左往しながら異音がする箇所をできる限りの聴力を
活用し捜し当てようとする。
「ここやないとや。」「いやここぜ。」
様々な口調そして様々な音程の発音がその異音と共に聞こえてくる。
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そして次第に皆が集う場所が一箇所へ集中し始めた。
いつの間にか皆の集合場所が一致する。
その内いよいよベテラン職人がある動作にでる。
機械は動いているにもかかわらず、自分自身の生身の手を差出し、職人ならではの
皮膚には様々な傷が染み込んだ手で握る。
握られた手はその振動体と共にもちろん振動し、ひいては体全身が微妙に上下に
相当なる回数で動く。
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その手は握っては離し。握っては離しの動作を何回か繰り返した。
「やっぱりここぜ。」
職人は皆の顔を見渡しはっきりとした口調で言い放った。
もちろん皆の目はその握られた手へと集中する。
そしてその握られたはずの部品のその手は他人の職人の手へと移される。
その職人の手も握っては離し、握っては離しの動作を繰り返す。
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今までの動作よりある結論が採光を浴びだした。
実際その動作により大きな異音の音色が変化する。
装置の一部を手で握る。そして離すことにより音調が変化するのだ。
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ふとその横の部品を隣の職人が触る。
「熱いばい。」その発言と共に皆の視線は即座にその場所へと変わる。
「何でこげん熱いとや。」
別の職人も手を差し出す。
「本当やが~。」
「どうもこの部品のようやな。 」
誰しもがその言葉に同意したようだ。
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その雰囲気に同化するが如く発言した者がいた。
「ここばばらしてんやい。」
それは頑固親父だ。
いつの間にその場所へ現れたのだろう。
機械装置に集中していた目は一斉に頑固親父の元へ集中した。
「お~い。機械ばとめてんやい。」
その命令口調は我が町工場中に響き渡る。
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若い職人は運転開始させたブレーカーの元へ走る。
その場所へ到着したかと思うと即座に機械が停止した。
つい先程まで工場中の音色を一心に集めていた、本来決して聞こえてはいけない
その異音も機械の停止と共に終了する。
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「おい。そこば、ばらしてんやい。」
又しても独裁者であるかの如くのその厳しい口調は職人皆の耳を占領したのだろう。
その言葉に誘われるように皆一斉にスパナ、ラチェットレンチを手にし解体し始めた。
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そして、ついぞ驚くべき発言を聞く事になる。
「あちゃ~。ここは焼けとうばい。こりゃ、はずれんめ~や。」
この言葉に私は自分の耳を疑った。
しかし、事実は目の前にある。
これが現実であり決して夢でも幻でもない。
事実は歴然と私の極間近に堂々と出現しているのだ。
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「う~ん。」と思わず溜息が出る。
それにもかかわらずこの原因を突き止めるべくある意見が出される。
その発言に釣られる様に一斉に矢継ぎ早に意見が飛び交う。
自分の過去の経験、予想される内容そして原因追求ための手段。
その議論は勢いよく相当なる速度で前進するかと思われたが、思いのほか
先へとは進展しない。
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しかし、我が町工場の長い人生ではほんの僅かにしか過ぎない短い議論でも
様々な人間模様がありありと演出される。
決して一旦発言した言葉は決して取り下げない。
そればかりか、発言した言葉への反論には烈火のごとく顔色を変化させ否応なしに
従わせようとする。
その原因追求には恐らく間違いと言う言葉が当てはまるとしても、
その指摘は自分の人間存在自体を損なうとばかりに押し込もうとする。
しかしながら社会的背景があろうとも否定されるべき内容は誰しもが首を縦に振らない。
職人は決してひるむことなく大いに自分自身の思いを訴える。
その一人の人物以外は社会的地位など関係ないとはばかりに、その発言の元は
純粋なるその機械への進展へのアドバイスであり、決して後ろの下がるべく
内容ではない。
そしてその内容が否定されたとしても、技術的にそして科学的に見合うものであれば
素直にそれに従い、決して人間の権威を損なわれたなどその考えは決して、
頭の片隅にも湧き出てこない。
目の前にある現実に対しひたすら言葉を発しているのであり、他人と口論するべく
発言しているのではないのだ。
しかしながら今現在目の前にある現実はどうであろう。
そういう人間ばかりであれば早々に解決の糸口は見つかるかも知れない。
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ある者は、発言する行為は自分自身を主張しそして他人の常に上に立つためだけに
存在していると認識しているとすれば。
言葉は常に自分を肯定するもので否定と言う言葉の存在は最早無きに等しい。
敵味方を一方的に区分しそして賛成する者のみに笑顔を与える。
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それは純粋なる科学的議論から逸脱し、それこそが俗に言う政治的理論というべき
なのだろうか。
我が町工場の職人はものづくりに対してのみ発言している。
素直にそして純粋にものづくりの更なる進展のみに心を注ぎ脇目もふらずに
方言丸出しで発奮するのだ。
科学的理論は人間の尊厳、人間の偉大さ。そして人それぞれの個性を打ち消す
ものでは決してない。
純粋にものづくりに尽くす心がそのヘと進展させるのであり、そこに果たして
人間の価値の存在を無にするかと言うとそうではないはずだ。
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それにもかかわらずと書いておきたい。
一旦発言した内容は否定される行為にすかさず疑いの目を持つ。
そしてその否定する者に対しては徹底的に社会的権威を振りかざそうとする。
それこそが人間本来の議論だとばかりに。
一応私はこれらを「頑固」と言う名称を与え自分ながらに納得はしている。
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結局のところ今回の議論が果たして科学的かあるいは政治的かどうかは
判断は難しい。
しかしながらその議論の結論の本来の姿はその変更された図面を一目見れば
即座に分かる。
最終的には変更された図面に基づき、ものづくりは行うのだから。
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さあっ。これからも私は一刻も早く変更後の図面作成を完了せねばならない。
納期と言う期日が一目散に近づいて来る。
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私はこれからも図面描きを続ける。
ひたすら科学的議論の内容を振り返りながら。
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それでは又です。
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読破。
「氷点」三浦綾子著。
ある人物が自殺の行為までに至った経緯を周りの人間の心を通して
文章化している。
考えさせられる。
自分自身は全くの温かみがない世界がこの世に存在する事は
誰しもを不幸へひたすら追いやるすがない卑怯な行為としか思えないのだが。
「続氷点」でこの先続きがあるようだが。
読むべきだろうか。
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皆様いつもお世話になり有難うございます。
円陣(エンジン)全開年忘れ会と我が家の年賀状作りの楽しさは正反対。
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2006.12.11by 博多の森と山ちゃん
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