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11月19日 無事現場工事終了ですばいっ!!



昨日はお陰様で無事現場工事は終了した。
その現場での職人の様子を動画に納めた。
御面倒ながら是非、我らが職人の活躍ぶりを見てやって頂ければこの上ない
喜びで御座います。

この動画の中で若き職人の溶接の未熟さが短時間ですが、映し出されております。
やはり、一生勉強ですばい。












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「絶対に吊荷の下に足を置くなよ。」
と5M頭上からベテラン職人清次は大声を出した。

地上の哲二は、品物をワイヤーで巻きそのワイヤーの輪の部分をウインチのフックに引っ掛けた。
そして「ちょい上げてんやい。」とウインチの押しボタンスイッチを左手に抱えてそばで立っている
浩一郎へ指示をする。
浩一郎は頷きながら、そのスイッチを右手の指先で「上」と刻印されているボタンをほんの僅か
押し込んだ。
そして即座に手を離す。
それを数回繰り返す。

その吊荷が地上すれすれに上がった瞬間、浩一郎はボタンから指先を離した。
そして吊荷がゆらゆらと空間を漂う。
しばらく、その吊り荷を眺めていた哲二は「大丈夫やね。」と浩一郎へ声を掛ける。

これは荷が地上から離れ空間へ放たれた地上すれすれに荷が浮かんでいる地切りと
言われる状態だ。
この地切りの状態の際、一旦上げる動作を中止し、吊られた品物がワイヤーの引っ掛け方に
問題なく、安全に安定して吊り上げれるかを必ず確認する。
これ無しに一気に上げると吊荷がワイヤーからはずれ、事故に繋がる場合が起こり得る。

哲二は手で吊荷を押さえながら「上げてんない。」と浩一郎へ手を上げながら指示する。

浩一郎は「上げま~す。」と大声を出すと右手の指先でボタンをゆっくりと押す。

哲二は吊荷から手を離すと素早くその場所を離れる。
同時に吊荷を見ながら浩一郎もその場を離れる。
これはいつもベテラン職人達に「絶対吊荷の下に入るなよ。」という言葉を耳にしていた
せいだろうか。

頭上の清次は吊荷が上がって来る様子を確かめながら「ゆっくりな~。」と大声を出す。

浩一郎は真剣な眼差しで上がっていく様子を凝視しながらボタンを操作する。
右手の指先のボタンの押し加減は微妙で常に額に汗を滲ませながら、心臓の鼓動を感じながら
操作している。
押し過ぎると吊荷に加速が付き危険だ。
上っていく最中何かに当たりでもすれば。吊荷のバランスが崩れでもすれば。
その製品は地上へまっさかさまだ。
精魂込めて我が町工場の皆で力をあわせ完成した品物への努力が水の泡となる。

浩一郎は緊張した面持ちで上がって行く製品の姿に目を凝らし続ける。

「ちょい止めてんやい。」と清次の声。
即座に地上5Mの踊り場の上でもう一人の職人の秀治と共にその製品をつかむべく
手を捧げた。
二人でその製品を手で支えると「よかな。」「よかばい。」と言う短い会話の後、清二は
再び大声を出した。
「ちょい降ろしんやい。」「ゆっくりぞ~。」。

浩一郎は「下げま~す。」と声を張り上げると今度は「上」ボタンの下に取り付いている
「下」ボタンを右手の指先でゆっくりと押さえ込んだ。

「いいですか~。」「もうちょい。」
指先でボタンを僅かに押さえる。

「いいですか~。」「もうちょい。」

そして再び右手の指先がほんの僅か動いた瞬間。
「ストップ。」との叫ぶ声。

浩一郎は左手に抱えたスイッチから右手の指先を離すとしばらくそのままでいた。

「ようし。よかぞ~。」との声が聞こえた瞬間、浩一郎はほっと胸を撫で下ろす。

そして清次の「二人とも上がってこ~い。」と言う元気な声がその場に高らかに響いた。




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それでは又です。



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 皆様いつもお世話になり有難うございます。
 これはもしかして町工場物語ブログあるはず。
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2006.11.19by 博多の森と山ちゃん




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