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10月23日 使い捨てカイロから地磁気まで(2)



もうすんでのところだ。
もう一歩進めばようやく乗り越えることができるはずだ。
ここまで到達するまでにどれだけの歳月と労力をつぎ込んだだろうか。
ここまでどんなに苦しめられそしてどんなにあがいた事か。
その日数を数えれば人生の長い航海の中でほんの僅かな数海里進んだだけかもしれない。
短い航海だとしても四六時中頭を決して離れることなくそして人間と言う生物が生きる上で
不可欠な睡眠と言う行為までその時間を犯されていた。

自分自身の脳細胞はそれ以外の事柄は最早入る余地などなく、ひたすらそのことのみに
全神経を擦り減らしていた事になる。

体は猫背になり、歩む速度も一段とのろくなっている。
それでも思考回路の働きは決してやむことがなくそれのみにだけ私の体そして脳細胞の全て
注ぎ込まれているのだ。

しかし、既に過去のことだ。
今現在、今と言う瞬間に既にここに私はいるのだ。
もうここまで来ているのだし過去を振り返る暇があればこのまま先に進むべきなのだ。

もう少しであの光りを体全体で味わうことができるのだ。
ほの暖かくそして体全体を包み込むあの静かなとてもこの世の出来事とは到底思えない
心地よい安らぎの世界が私の目の前に突然にそして唐突に現れるはずなのだ。

あの慈しみのあるあの親しみに溢れるあの柔らかな光がいよいよ。


いよいよもう少しで、あの。。。。。。。。。





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下記題目の今回の内容の前回は

10月4日 使い捨てカイロから地磁気まで(1)を御面倒ですがお読みください。



酸化鉄で身近なものに砂鉄がある。
酸化鉄には赤錆と黒錆があるがこの砂鉄は見た通り黒錆だ。

この黒錆びは赤錆とは異なり、大変緻密で硬く内部を保護する。
そのため、朽ちてなくなることは決してない。

砂鉄は川辺や海辺で見かけるが、採取する場所によっては酸化チタンを含んでいる事も
あるらしい。

又、この黒錆びは「四酸化三鉄」や「四三酸化鉄」とも呼ばれたいへん強い磁気、強磁性がある。


この砂鉄を横に寝かせて置いた棒磁石にまんべんなく振りかけてみる。
そうするとこの砂鉄、鉄粉は独特の縞模様を描く。
鉄粉は磁石の両極NとS極両端に集中しそしてこの両極を結ぶように円形を描く。

これは棒磁石に実際働いているある力を鉄粉を振り掛けることにより目で見ることが
できたことになる。
これは磁気の力が空間に生じている事の証明だ。

この磁気の力が働いている空間を「磁場」あるいは「磁界」と呼ぶ。
又この磁気には強さがあり向きがある。
その曲線を描いている線を磁力線と言う。

この磁気の力。磁場あるいは磁界。

これは電気と共通点が多くそして密接な関係がある。
電気も目には見えない空間に働く力であり磁気同様その空間を「電場」あるいは「電界」と呼ぶ。
電場も磁場同様その空間を描く曲線を電気力線と言う。

電気と磁気に密接な関係を表すものに電磁石がある。

理科の実験で実際試した事もあると思う。
ある鉄の細い棒にエナメル線を巻きその線に電流を流すとその鉄芯は磁石になる。
電流を切ると磁石でなくなる。
そしてこの鉄芯を抜き取るとする。
そうすると、実はエナメル線を巻いたコイル部分だけでも磁性はある。

この原理を発展させたものにソレノイドがある。
実際エアー等の流体の制御に使用されている電磁弁ソレノイドバルブがそれだ。

導線を密に巻き長い円筒形のコイルをソレノイドと呼んでいる。
導線をコイル状に巻くと互いに力を強めあう。

その導線を密に巻いたコイルに電流を流すと円形に流れる電流が重なり大きな磁気を
起こせるというわけだ。

磁界いや次回に続く。




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さあもう一息だ。

私は自分自身にそう言い聞かせ満身創痍ではあるが何とか今ある力をふんだんにそして
できうる限りのわずかばかりではあるがその力を絞りもう一歩踏み出そうとしていた。

あの輝かしくもそして柔らかなふわりとした心落ち着ける僅かながらの採光を目の前にしながら
私はいよいよ踏み出そうしていた。




ところがだ。



しかし。



突然。



私が僅か一歩踏み出そうとした瞬間。



予期しないことが起こる。
全くその時点では私の脳細胞には全く予測すら出来なかったことが。

突然そして唐突にそして歴然たる目の前の事実として。

堂々と大きく、そしてとてつもなく深い暗闇が私を襲う。
私は自分自身の目が信じられなかった。
これが現実なのか。
こらは今現在私自身に降りかかった事実なのか。



一体何が起きたのだ。
一体自分自身の今現在、今の瞬間襲い掛かったあの重苦しい暗闇は如何なるものなのか。

私はしばらくの間そこに立ち止まりそして頭を垂れる。
体全身のどこにも最早力が入らずただただ呆然立ちすくむだけだ。
ただその場所へは立っている。
2本の足では立ってはいる。



その足の感触は既になく他人の足を借りてそこに立っている。
そして両手はぶらりと垂れ下げ、最早自分自身の魂は私の体から逃げさりただひたすら
私はそこに浮いているように自分自身は感じている。



しばらくの間。。。。。



一体どれ程時は過ぎ去ったのだろう。
どれだけこの世の空間に時は時刻を刻んだのであろうか。

一体どれだけの時間が私を駆け巡ったのであろうか。。。。。。





ようやく大きな深呼吸と共に逃げさった魂は自分自身の体へ戻ったようだ。
全てではないにしろその大きくて深い暗闇が僅かではあるが白み始める。

その深呼吸はようやく残り僅かな力で行ったのではあるがそれだけの力が残っていたことに
人と言う自然の本能たる力に大いに感謝すべきであろう。

ほんの小さな力が可能にした深呼吸。
この深呼吸のお陰で次なる深呼吸を呼び起こす。

次第にその呼吸の息は大きくなり、それと共にその暗闇の本来の姿が目の前にあらわとなっていく。

その本来の姿はやはり暗闇でないことが次第に深呼吸と言う落ち着きの旋律により
あからさまになっていく。
その旋律は実の所とても心地良く思わず口ずさみたくなるようなメロディだ。

その哀愁を帯びた旋律は次第に私の感情そのものを波打つようになりそしてその波はやがて
大きな海原を駆け巡る大きな音のメロディへと変貌を遂げるのではないかとの思いを自分自身へ
引き起こすほどの壮大なる宇宙的な感触をふんだんに染み込ませてくれる。




しかし私は、その暗闇に対して私は逃げるのか。
その暗闇には何の対抵抗も無しに後ろを向きただひたすら逃げ隠れるのか。


大いなる柔らかな旋律を一旦耳にしながら私は目の前に広がる大きな深い暗闇がその
本来の姿が現れるに連れて迷う。そして悩む。



既に過去などない。
今の瞬間。今現在。今だ。

その暗闇に立ち向かいそしてその大きな本来の姿に立ち向かうに必要な力は何かを
瞬時に思い巡らす。

とてつもなく大きくそしてとてつもなく厚くそしてとてつもなく幅広い本来の姿。
それに立ち向かうかどうか。

それ自体が今現在自分自身に課せられた課題でありそしてそれのみが私の悩みだ。



そして次第にあることに気づく。
その本来の目の前に現れた大きな姿が露わ(あらわ)になるに連れ自分自身の本来の
姿も露わになっていくことを。
次第に自分自身が一体何であるか。いかなる生物であるかが次第に露わになって行くのだ。



そこには何もなく。
見栄、張ったり。そして保身、
嘘など自分をひたすら守るべく日頃行う行動すらを一切あの旋律が私自身から脱ぎ去っていく。

一体。自分自身とは何か。
一体自分とは誰なのだ。

あの旋律のメロディが自分自身を包み込むにつれ自分自身もついぞ口ずさむ。

そしてつぶやく。
果たして自分の口で口ずさんでいるかは最早疑わしい。




「情熱と執念。」



これのみがその本来の姿に立ち向かうメロディだと私は自然と口ずさむ。

私はいよいよ思いを固める。
もう私には他には考えが及ばない。
果たしてそれが正解であるかはその結果が表現しうる姿を露わにするだけだ。



さあっ。大いに歌おう。
既に口ずさむ事はやめた。
大いに歌おうではないか。

その旋律にのって。そのメロディに乗って。

しかし、その旋律は一体どこから聞こえるのだろう。




それでは又です。





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2006.10.23by 博多の森と山ちゃん





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